マイブームは皆川賢太郎

きっかけは、愛知県スキー連盟の不正のニュースだった。

国体の監督を務めるために資格が必要、と役員8人に無試験で準指導員資格を与えたという。

最初に思ったのは「まあ、やってそう」。東海テレビの独自取材らしいが、女子レスリングにボクシングに女子体操と内部告発が続いている折、これもテレビ局へのタレコミなのではないか。

しかし「国体の監督を務めるために資格が必要」とは、どこの何のための規則なのだろうか。そして8人も必要なのだろうか。そもそも国体の監督って何する人?まさかコーチじゃあるまいに、名前だけの名誉職なら資格はいらないだろう。

SAJに恨みはないが、「自然で楽なハイブリッド・スキー」騒動以降、いい印象はない。いかにもムラ社会的な、保守的で内向き志向の、アマチュアスポーツの連盟だか協会だかで一般的そうな体質のイメージ。

皆川賢太郎氏については、長年スキーを嗜む者として、アルペンレーサーとしてその名前を聞き知っていた。ソチに行けずに引退したことや、上村愛子の夫であることも聞いていた。

引退翌年に技術選に参加して話題となっていたことも、「日本最高峰のアルペンレーサー」が技術選で優勝争いに絡めないことに対して、技術選支持派とアンチ技術選派の間で相変わらずの論争(?)があったことも。

個人的には、技術選の全日本決勝のレベルになると、誰がうまいとかよりも、どういう滑りが好きかという趣味のレベルだと思っていて、他の人と明らかに異なる皆川氏のアルペンチックな滑りは華があって好きだったが、同時に、高得点は出ないんだろうなとも思った。

皆川氏は翌年も技術選に参加した。3年計画という話も聞こえていた。しかし全日本には不参加。1年目と2年目の間にSAJの理事になったこともニュースで聞いていたが、どういう経緯で理事になったかなどは、おそらくニュースにそこまでは出てなかったと思うし、わざわざ調べるほどの興味はなかった。全日本不参加の理由もはっきりしたことは聞こえてこなかった。

理事就任の1年後に常務理事になり、さらに競技本部長になった。そこでようやく「これはSAJに何か起こっているのでは?」と感じるようになった。皆川氏は「スキー未来会議」を開催するなど、積極的に動いていた。

愛知県連の不祥事のニュースから、皆川氏のことが気になった。一体、今、SAJに何が起こっているのか(あるいは何も起こっていないのか)。皆川氏を何をしようとしているのか。

調べてみると、皆川氏のインタビュー記事がいくつか見つかった。なかなか面白いことを考えている。いわゆる体育会的ではない、非常に合理的な考え方をする人だと思った。

で、この何週間か、皆川氏がマイブームとなっている。

しばらく、皆川氏関連の記事から思ったことを、つらつらと書いていきたい。