スキー未来会議 #2 -1

 第2回のスキー未来会議は、2017年5月19日に、『インバウンド』と『小売りから見えるウインター産業の実態』というテーマで開催された。

 『インバウンド』では「スキーリゾート、最新状況分析」として、第1回に続いて観光庁の蔵持氏と、日中スノー産業交流協会理事長の王氏が登壇した。

  蔵持氏は、「訪日外国人の旅行者数は引き続き増加している」「スノーリゾートに関してはスキー以外の体験も人気や関心が高いことが分かっている」「観光庁としては、世界に誇れるスノーリゾート地域を作るため、情報発信の仕方、グリーンシーズンの活用法などについて、いくつかのスキー場と連携しながら検討していきたいと考えている」 と、当たり障りのない、いかにもお役所的な報告のみ。

 王氏は、中国から日本へのスキーインバウンドの課題として『中国人スキー客の誘致とPR』『受け入れの言語対応』『文化の壁』という3つを挙げ、「中国語のホームページは制作しているが、見られていないということに気が付いていないところが多くある」「中国国内からはフェイスブック等が閲覧できず、閲覧できるサイトもサーバーが日本にあると1ページを開くのに1分以上かかり、ユーザーはまず見ない」「セールスポイントの見直しも重要。中国のスキー客には、高速道路のインターチェンジからよりも空港から近いほうがメリット」「日本での経験やノウハウをそのまま活かすのではなく、ローカライズさせていくことが重要」という旨の発言。

 外国人を呼びたいなら空港からの近さをアピールすべし、なんて言われなくても分かってるだろうし、だから白馬は成田からの直行バスを走らせている。

 そういう取り組みやアピールをしていないところは、そうすべきことを分かっていないからではなく、交通機関の手配も効果的なアピールも、地域ぐるみ・旅行代理店ぐるみでないと、スキー場単独ではどうすればいいか分からないからではないか。

 中国語のホームページを作ってるが見られてないことに気づいてないところが多い、は本当か。アクセスの確認をしないなんて考えられないが。見られてないことは百も承知だが、どうすれば見てもらえるのかが分からないからそのままになっているということではないのか。

 中国からだとサイトが重い、は言われなければ分からなさそう。といって中国にサーバーを立てて運営するハードルが高いのか低いのかもよく分からない。国内の業者に頼んで簡単に請け負ってもらえるものなのか。

 ローカライズが重要なのも分かってると思うが、どうすればいいのかが分からないのだと思う。日中スノー産業交流協会に相談すれば教えてもらえるのだろうか。

 受け入れの言語対応や文化の壁が課題なのも重々感じているだろう。しかし言語対応にはコストの問題が付きまとうし、文化の壁なんてそれこそ特効薬などないだろう。

 効果的な誘客ができていない要因を理解不足に求めているようにみえるが、具体的な手立てが分からなかったり難しかったりでできてないのではないかと思う。(続く)