「いいづなリゾートスキー場」は売却先が決まらなければ廃止の可能性もあったが、無事に売却先が決まった。
ここは飯綱町有で、長野市街地から約20分の立地にあるが、スキー人口の減少を受けて来場者が減り続け、2012/13シーズンから赤字に転落していたという。
これまでの経緯は、
・2017年6月、財政難により2019年3月末までに売却をすること発表。交渉が不調に終わればスキー場の廃止を示唆。
・2017/9/13の住民説明会で、17/18と18/19シーズンの営業は保障するが、2019年4月の時点で売却先が決まらない場合は19/20シーズンの営業はしないと通達。
・2018/6/30、民営化に向け売却先の公募開始。8月には売却先を決定し、12月予定のオープンに間に合わせる方針。
・売却はゴルフ場とセットで、最低売却価格は土地・建物・設備を合わせて1.47億円。売却先には10年間の営業継続を求めている。
・募集は7/6まで受け付け、売却候補事業者には7/9の審査会で経営方針などを説明してもらう。審査結果を踏まえ、8月上旬に決定する。
これが、観光事業などを手掛ける都内の企業「ファースト・パシフィック・キャピタル」への売却が決まった。 スキー場運営は初めてで、老朽化した索道施設やレストランの改修を計画しているが、これまで運営していた町民有志らの「飯綱東高原観光開発合同会社」の社員の雇用は続けるとのこと。
町有スキー場はかつてはどこも町営で、バブル後に町から切り離す形で第三セクター運営にしたところが多かった。ここもそうだったが、その第三セクターは2009年に清算されている。
2012/13シーズンから赤字に転落というけど、それまではずっと黒字というわけでもないのではないか。11/12がたまたま赤字じゃなかっただけなのかもしれない。
おそらく、第三セクターの清算の時も廃止の話は出ただろう。でも、地元企業などが出資して会社を設立して指定管理者として運営することになったよう。とはいえ、町による指定管理料名目での赤字補填は続いていたのではないか。
2016年8月に、レストランの改修費として目標額200万円をクラウドファンディングで募集するというニュースで「経営から離れた同町が財政支援するのは難しく、関係者は今後も新たな民間資金の活用でてこ入れを進める」とあったが、200万円を捻出・調達できないというのは、本当に町民有志の集まりということか。
今回買ったところはスキー場運営初参入の会社だけど、どういう可能性を見出してるのか。
標高差600mあるのはいいが、そう広くはない。長野市街地から近いのがウリだが、インターチェンジからのアクセスはさほどよくない。
値段は土地価格そのものなのかもしれないけど、自由に売れるわけでなし、建物・設備は老朽化してて設備更新が待ったなしとなると、その投資の回収のメドをどう立てているのか。