3年前、少なくとも甲信越・東海のスキー場にとっては、記録的にひどい暖冬だった。
通常はクリスマス寒波か、遅くとも正月寒波で全面オープンになるところが、1月下旬までそういう寒波が来なかった。おまけに3月以降がまだ高温で、標高の低いローカルゲレンデでは2月しか営業できないところもあった。
2年前も、全面オープンは1月中旬になり、シーズンインは3年前に次ぐ遅さだった。ただ、春は平年以下で長持ちした。
去年は理想的なシーズンインだった。11月下旬から12月上旬にかけて冷え込んでドカッと降ってくれれば、そこから2月は平年並みで十分。しかし昨シーズンは3月以降が高温で終わりが早かった。
奥美濃エリアの気温指標として、アメダスで六厩(荘川村:標高1015m)の気温をみると、
11月 12月 1月 2月 3月 4月
平年 +3.1 -2.3 -5.3 -4.9 -1.1 +5.2
15/16 +6.1(+3.0) +0.2(+2.5) -3.8(+1.5) -3.6(+1.3) +0.5(+1.6) +7.6(+2.4)
16/17 +4.2(+1.0) -0.8(+1.5) -4.9(+0.4) -4.7(+0.2) -1.3(-0.2) +4.8(-0.4)
17/18 +2.3(-0.8) -3.7(-1.4) -5.2(+0.1) -6.0(-1.1) +1.4(+2.5) +7.7(+2.5)
月間の平均気温が2℃高いというのは相当のこと。15/16は1月・2月も含めて壊滅的にヒドイけど、今年の3月・4月はその時よりもヒドかった。
さて、今シーズン。エルニーニョ現象が発生して暖冬傾向とは言われているが、数か月単位の長期予報は正直、まだまだあてにならない。とはいえ、ここまでは間違いなく暖冬。11月の六厩は+4.7℃(平年比+1.6℃)と、3年前よりはマシだが2年前より高い。
12月に入ってからも、九州で夏日を記録するなどの高温があり、7日までの一週間では六厩で平年比+6℃という異常ぶり。12月の残りが平年並みでも、月間で平年比+1.5℃と2年前と同等にしかならない。しかも平年よりやや高めの1か月予報。
12月の3連休に人工降雪エリアと高標高・北斜面しかオープンしないとか、年末年始に全面オープンにならないとかは、スキーヤーにとってもツライが、運営サイドはそれ以上にキツかろう。
この週末の冷え込みも、寒気が期待したほど下がってこず、恩恵は秋田北部までのようで、夏油はオープンとなったが、蔵王はまだ。
白馬エリアも、八方は2年前が12/8オープン(パノラマのみ。兎・黒菱は12/10)、3年前は11/28オープン(兎・黒菱は12/5)だったから、白馬観光開発株が日本スキー場開発㈱の傘下になって早期オープンに熱心になった12/13シーズン以降で最も遅いオープンとなることが確定している(2011年は12/13オープン、2010年は12/16オープン)。五竜&47も、2年前の12/9オープンを超えてしまった。
オープン日のデータからは、平均気温の高さとは別に、ドカ雪寒波がどのタイミングでくるかがオープン日を大きく左右することが分かる。3年前は11/25,26にきて八方で積雪40cmになってオープンできた。12/4にも1日で40cm積もって滑走エリアが広がった。2年前も12/5からの3日間で60cm積もってオープンとなった。去年は11/20前後に50cm級と、11/25に100cm級のドカ雪がきた。今年、11/23の寒波でも12/8-10のこの寒波でも大雪にならなかったのはイタい。
八方は今年、リーゼンスラロームの人工降雪機を増強したことで、12月中旬(15の週末?)にこのコースをオープンする予定を立てていたが、それも気温が平年並みなら。先週の高温で雪はすべて溶けてしまい、金曜からまたせっせと降らしているところなので、パノラマを含めて12/15にオープンできるかは微妙。
気温はほぼ終日氷点下の予報だから、降雪機の稼働時間は延ばせるが、天然雪が数cm程度でオープンできるのか。来週末でもオープンできないとなると、これまた記録的ということになりそう。