奥美濃ゲレンデの道路事情 _2

(前回から続く)

 09年7月に白鳥ICまで4車線化されてから、高鷲ICまで4車線化される18年11月までの間、国道156号の高鷲ICと白鳥ICの間の、ウイングヒルズ方面からの合流地点で、合流地点手前数kmから白鳥ICまで、週末夕方渋滞が常態化していた。

 逆にいうと、国道ではここくらいしか渋滞しなくなっていたのだが、これもようやく解消されたはず(高鷲ICまで4車線化以後、ピークシーズンの夕方にここを通っていないので断定はできない)。

 これで残る渋滞ポイントは、東海北陸道から名神道に合流する一宮JCTのみ。この解消は東海環状道の開通、特に美濃関JCTから養老JCT間の開通にかかっている。

 東海環状道は東半分が既に開通しているが、奥美濃エリアのスキー場生存率が高いのは、高速アクセスの向上により近畿圏からの日帰りが容易になり、近畿圏の客、すなわち、西からの訪問客が増えたからに他ならない。

 東半分の開通で、三河や東濃からの客が一宮JCTを通らなくなることによって、東海北陸道から名古屋方面に合流する方の渋滞は緩和されているはずだが、日常的にまだまだそちらが混むようで、名神の一宮JCT付近の6車線化が決まったのもJCTの東側(名古屋方面)。

 それはそれで大事だが、奥美濃のスキー場にとっては大阪方面への合流の渋滞解消、つまり東海環状道の西側の開通の方がより重要だろう。

 東海環状道の全線開通は、当初は2015年度だった。それが2011年に「2020年度末」となって、2015年に「未定」となっていたが、今年になって2026年度予定と発表があった。美濃関JCT~養老JCT間に関しては2024年度開通予定だから、京阪神の人はあと4年の辛抱だ。

 とはいえ、これはあくまで「用地取得が順調に進んだ場合」ということで、まだ用地取得が完了しておらず、予算の目途が立っただけのよう。つまり「最短で」ということ。

 美濃関JCT~養老JCT間が開通すれば、ゲレンデ帰りの一宮JCT付近での渋滞は、東海北陸道名神道も大幅に減るだろう。代わりに養老JCTで渋滞する可能性はあるが、分散するのだから現在の一宮JCTのようにはならないはず。行きだって距離が短縮され、所要時間も短くなる。

 だからといってスキー客が増えるというほどのインパクトはないだろうが、少しでもストレスが減るのはいいことだ。

 というか、奥美濃の人気ゲレンデの2月週末の混雑は、バブル期には比べるべくもないとはいえ、ちょっともう厳しいレベルなので、これ以上増えられても困る。

 奥美濃エリアの生存率が高い分、そのあおりを食う形で飛騨エリアでは10を超えるスキー場がなくなっており、残っているところも客が少なく空いている。規模では奥美濃人気ゲレンデにかなわないが、アクセスがよくなることで、「空いている」価値を求めて飛騨エリアに足を伸ばす人が増えるといいのだけど、そんな物好きはすでにそうしているか。