志賀高原に新ゴンドラ

 来シーズン、志賀高原に新たにゴンドラができるとのこと。

 といっても、滑走用ではなく連絡用。

 蓮池の、昔ロープウエイがあったところと、ジャイアントのリフト乗り場付近を結ぶ、400mほどのもの。

 そしてゴンドラといってもパルスゴンドラ。ゴンドラは通常、高速リフトがそうであるように、乗車中は高速で運行しつつ乗降場で減速させるために、搬器が掴んでいるロープを切り替えるようなっているが(自動循環式)、パルスゴンドラは低速リフトのように1本のロープを掴みっぱなし(固定循環式)。

 だが、リフトは乗降時も乗車中も速度を変えないが、パルスゴンドラは乗降場では減速し、乗降場を離れると加速する。乗車中に別の搬器が乗降するタイミングで周期的に減速するので、パルス(脈動)と呼ばれる。小さな子供や初心者の多いリフトのような感じか。

 ニセコヴィレッジのグリーンリーフホテル前のがパルスゴンドラで、八方が活性化計画で名木山から咲花を麓で結ぶのにもパルスゴンドラを挙げていた。固定循環式は自動循環式に比べて建設コストが安いからだろう。

 他の搬器の乗降時に減速することから、搬器が多いと乗車時間が長くなってしまう。そこで、一度に複数台の搬器を連ねて”群”にして、”群”の数を少なくして運用されるのが一般的。2群なら上と下で同時に乗降するから乗車中に減速することはなく、2群増えるごとに乗車中に1回減速することになる(ニセコヴィレッジのは2台2群なのでパルスにならない)。

 通常のゴンドラの場合、400mだと14台とか16台になる。固定式で16台だと、400mの間に7回減速することになり、定常速度(4m/s)の時間がほとんどなくなる。

 これを2台1群の8群にして搬器間隔を倍にしてやれば、減速は3回、4台1群の4群なら減速1回となり、こうなると乗車時間の差も小さくなる。距離が長くなると、減速回数が増えるか、搬器群の数を減らして輸送力を落とすことになるので、あまり長距離向きではないといえるかもしれない。

 街から離れて高標高にある志賀高原は、もともと泊り客がほとんどで日帰り客は少なかった。今でもそうだろうが、日帰り客向けのインフラ(駐車場・更衣室・レンタル)の乏しさは、宿泊施設側と利害が対立することもあって、長年の課題だっただろう。

 これまでも、上林に駐車してそこからバスで向かうパーク&ライドをやったりしていたが、スキー場の玄関口に駐車場等を整備するのが本筋だろう。ということで、比較的広い駐車場とレストラン・売店はあるがゲレンデまで徒歩数百mの場所に、ゲレンデアクセス用の索道を新設ということのよう。

 だったら、ただのペアリフトでも悪くなさそうだが、初心者の利便性を重視したということか。

 志賀高原中央エリアホームページのイラストの通りだと3台1群となるが、そんなに輸送力は必要なさそうとなると4群構成か、いっそニセコのように2群だけでパルスなしか。

 何人乗りかは書いてないが、6人乗りだとすると、2群6台だと輸送力はシングルリフトより少なくなりそう。群の数を倍にしても乗車時間が長くなるので輸送力は倍にはならず、4群8台でシングルリフトとぺアリフトの中間くらいだろう。6群12台でもペアリフトよりやや少ない程度、8群16台でようやくペアリフトを超える程度か。

 横手山渋峠のホームページでは、焼額・一ノ瀬方面から横手山方面にシャトルバスで移動する際に、これまでは今回ゴンドラが新設される地点でバス乗り換えの待ち時間があったのが「無駄なくお越しいただくことが可能になりますネ!」とあるが、横手山から一ノ瀬へはそうだが、一ノ瀬から横手山へはパルスゴンドラを利用しても、よっぽどピンポイントでバスの時間にあわせて移動しない限りバスの待ち時間は発生するので、ちょっと無理のある宣伝。

 日帰りでジャイアントをメインに滑る人や、早い時間に向かえず高天原・一ノ瀬の駐車場が埋まってしまってる人、雪道は少しでも走りたくない人には便利になりそう。

 逆に、泊り客にとっては、中央エリアと熊の湯方面とをシャトルバスで行き来しない限り、このパルスゴンドラに乗る機会はない。