ワクチン接種状況

 ワクチン接種、これまでのところ、6500万回くらいまできているもよう。

 政府は1日120万回の維持を目標に掲げているが、6月下旬に130万回、7日平均で120万回を超えたところをピークに、直近はまた100万回を切ってきている。

 メインのファイザー製の供給量が80万回分/日くらいになっているのは計画通りということ。モデルナ製(まずは職域接種用)の供給が滞っているようだが、その原因の報道がない。アストラゼネカ製もあるはずだが、海外で血栓の副反応が多いし、効果もちょっと低いということで当面は在庫キープのよう。

 ファイザー製は9月末までに1.94億回分の契約のうち、既に1億3450万回分が輸入されてるということ。80万回/日で80~90日分、10月上旬分までは国内在庫としてある計算で、まだあと6000万回分がこれから輸入される(はず)。

 モデルナ製は9月末までに5000万回分の契約ということだが、当初は6月末までに4000万回分といっていた輸入が1350万回分どまりと遅れている。その輸入済み分が7月下旬には潤沢に出回るということで、3~4か月で5000万回、1日40~50万回のペースか。

 確かに、目詰まりなく順調に行きわたれば、ファイザーとあわせて120万回/日を維持できる計算だ。

 120万回は難しくても100万回をキープできれば、今月末で8000万回、8月末で1.1億回、9月末で1.4億回、10月末で1.7億回、12月末で2.3億回となるが、2社合わせて2.4億回分あるから数は足りる。

 ただ、接種が先行している欧米各国では、接種率5割前後で伸びが頭打ちとなっている。「何と言われようと打ちたくない」という人が半数いるということではなく、経済活動の再開に伴って「もうわざわざ打ちに行かなくても」という気分の人が増えているのだろう。フランスで飲食店利用にワクチンパスを義務化すると大統領が発表するやいなや、ワクチン接種予約が殺到したというし。

 日本の場合はどうか。政府(菅首相)は「10月から11月に希望者の接種を完了するよう進める」と言っているが、この「希望者」がどれくらいか。

 昨年12月の調査では、「接種したい」は20%、「どちらかといえば接種したい」が27.2%、「どちらともいえない」が25.6%、「どちらかといえば接種したくない」が13.7%、「接種したくない」が10%、「わからない」が3.5%だった。

 2月の調査では、「接種したい」「様子を見てから接種したい」「接種したくない」の3択で聞いたところ、「接種したくない」は11.3%だった。

 すんなりと接種に向かうのはやはり半数程度で、「何と言われようと打ちたくない」人は1割程度。5割までは順調にいっても、そこで経済活動が通常モードになってくると、欧米同様、「どちらともいえない」層は接種に向かわない可能性が高い。

 そこからは「アメとムチ」が必要で、それでもいって75%か。そこまでいけばいわゆる集団免疫の獲得ということになるだろうし、感染拡大の恐怖がなくなれば「どちらかといえば接種したくない」人は接種しない。75%でもまだ感染が収束しないとなるとそれはそれで大問題で、それはおそらく現在のワクチンの有効性が著しく下がるような強力な変異株の登場ということだろう。

 一説では、接種希望者は6~7割程度と見積もられているとか。上記の調査結果からすると妥当な線だろう。接種対象者は1.1億人程度だから、接種回数にして1.3~1.5億回。100万回/日をキープできれば9月中か10月上旬で達する計算で、接種率75%でも10月中には終えられる。

 実際には、自治体による進捗のバラツキもあれば、5割前後で予約が鈍るようなら100万回/日をキープできずに後ろずれするが、それでも11月中にはほぼほぼ終えられるということでの「10月から11月に希望者の接種完了」なのだろう。

 接種が完了(集団免疫獲得)しなければ、安全・安心のスキーシーズンにならないし、GoToトラベルの再開も難しい。何としても予定通りに接種が進んで(感染が抑制されて)もらわなければ。