早期オープン競争

 全国にICS(人工造雪機)を持っているスキー場がどれだけあるのか知らないが、首都圏近郊のイエティ、軽井沢プリンス、狭山(そもそも屋根付きの半屋内だし、さらにリフトがなくなったことでスキー場にカウントするかは微妙になったが)の3つに対して、奥美濃にウイングヒルズ白鳥、ホワイトピアたかす、白鳥高原、鷲ヶ岳と4つもある(あった)のは、恵まれているのはいいが不思議でもある。

 しかも、イエティで長さ600m・高低差80mほど、軽プリは長さ400m・高低差60mほどのコースしかないのに対して、ウインヒルズ白鳥は長さ1㎞・高低差180mもあるし、鷲ヶ岳は高低差220mにコース長は公称1.8㎞もあった。

 だが、鷲ヶ岳は2017年を最後にICS運用による早期オープン競争から離脱してしまった。コースが長いということは造雪量も多く必要ということであり、首都圏に比べて圧倒的に少ない客の奪い合いになることから収益性がよくなかったからだと思われる。あるいは単なる故障かもしれないが、直してまで使う経済合理性がないということだろう。

 かつてはウイングヒルズと鷲ヶ岳で10月オープンを争ったものだが、鷲ヶ岳は12月オープンになり、ホワイトピアたかすも11月上旬のオープンは狙わずに11/20前後に落ち着きつつある。(白鳥高原はもともと11/20前後)

 ウイングヒルズは頑張っているが、シーズン終わりは粘らなくなったし、サマーゲレンデも一時期より営業日数を減らしており、今年の冬オープンとなる11/12は、2016年の11/11を超えておそらくICS開始以降最も遅いオープンになるのではないかと思われる。(しかも11/15-19の休止も表明済み)

 全国的には、軽プリが例年どおりの11/3オープンを表明済み。狭山が発表しないとイエティは表明しないのも例年どおり。狭山は一昨年がリニューアル(リフト撤去してコンベアにした)で休業、去年はいつもより遅い11/12(土)オープンだったが、今年は以前のように10/30にするのか、それとも11/13なのか。もう雪づくりを始めているということは10月オープン狙いだろうか。狭山が11月オープンならイエティは10/29、狭山が10/30オープンならイエティは10/22か。

 イエティ、狭山、軽プリの3強は相変わらずだが(かつてはここにウイングヒルズや鷲ヶ岳がからんでいた)、今年はこれにICSではない横手山が続こうと11/6オープン(11/5プレオープン)を表明している。

 去年の11/13プレオープンも執念を感じる無理矢理さで、案の定、雪は持たずに11/16-26まで休止となったくらいなので、今年の11/5も執念で実現したとしても営業の継続は極めて困難だろう。週末だけでも営業できれば御の字か。

 11/12(金),13(土)は、ウイングヒルズが表明しているほかは、六甲山スノーパークの過去4年が18,17,16,14オープンだったのでどうかと思ったら、今年は12/4とのこと。11月中旬オープンは、やってみたが採算が合わずに撤退なのだろうか。あるいは外国人訪日観光客が戻ってきたらまた、なのか。

 11/20前後には例年、北海道勢がオープンするし、かぐらが11/20オープン予定を表明している。熊の湯が「11月中旬」と言っているのは「できれば13、だめでも何とか20には」ということだろうし、雪が早ければ八方や五竜もオープンする。

 加えて今年は、白樺国際としらかば2in1が11/20オープンを表明している。先行する競合の混雑状況と首都圏からのアクセスの良さから、勝機があると踏んだのだろう。

 2in1のオープンゲレンデの規模はイエティと変わらなさそうだが、白樺国際の方はクワッドリフトの高低差が125mほどあり、この時点でオープンしている首都圏近郊のゲレンデでは最大高低差となるかもしれない。

 個人的には、11月の細くて混雑したゲレンデには食指が動かないので、ドカ雪がいかに早く、そして続けて降ってくれるかを待つことになる。2017年など、11/25にHakuba47がほぼ全面滑走可になり、翌26日には五竜で滑走下山が可能になっている。ウイングヒルズは11/26にゴンドラが動き、12/9に全面可、高鷲スノーパークも12/13に全面可となっている。

 12/11(土)時点で、主要スキー場において全面とは言わないまでも半分くらいはオープンしてくれてそこが初滑りになればもう十分だし、それが12/18でも全然いい。12/25になってもまだ人工降雪機のあるゲレンデしか滑れないなんてことにならなければ…。