タナベスポーツに武井壮

 陸上十種競技の元日本チャンピオンでタレントであり、現在は日本フェンシング協会の会長でもある武井壮が、タナベスポーツのアンバサダーに就任したとのこと。タナベスポーツのYoutubeチャンネルに動画の前編が11/1にアップされています。

 動画の後編は11/23公開予定と3週間も空きますが、前編の6分ではまだ店で道具の説明を聞いているだけであり、後編も道具選びだけで終わりそうです。シーズンインに向けて盛り上げるタイミングを図っているのでしょうか。

 大阪に1店舗を構えるだけのスキー専門店でありながら、EC市場を中心に全国的にもそれなりの知名度と存在感があると思わるタナベスポーツが今、武井壮をアンバサダーに起用する目的は何でしょう。

 武井壮は1973年生まれの48歳です。スキー人気全盛期に二十歳前後だった団塊ジュニア世代にあって、当時興味はあったけどやったことない人に、子育てが一段落した今、改めてスキーの面白さを伝えて今からでもスキーを始めてもらおう、ということでしょうか。

 しかし、スキー人気全盛期、20代男性の実施率は実に4割以上。これが何年か続いたわけですから、団塊ジュニア世代とは、西日本の雪無し県を含めてもスキーをしたことがない人の方が少数派であろう世代です。近年も20代以上では40代男性が最もスキーの実施率が高いです。

 中年男性が中年以降に新たに始めるスポーツなど、健康目的のウォーキング・ジョギング(が高じてのマラソン)や筋トレ(が高じてのボディビル)、アウトドアレジャー的な登山(本格的なクライミングではなくトレッキング)を除けば、ゴルフくらいしか思い浮かびませんが、スキーは団塊ジュニア世代には認知度が高くイメージも良いから、多くない初心者需要でも掘り起こせるだろうという目論見でしょうか。

 かつてアルペンが長年、加藤晴彦を広告に起用して、2010年代前半には大島優子などのAKB48メンバーを起用していたことを思うと、タナベスポーツが武井壮を起用するというのは、何やらガチな雰囲気が醸されて面白いと思います。

 タナベスポーツは業界内での知名度はあるとはいえ、所詮はニッチな業界であり、アンバサダーという名で広告にスポーツタレントを起用してYoutubeで何がしか配信したところで業界外の注目を集めるようなことにはならないのが現実とは思いますが、Youtubeを通じて業界内の一部だけでもざわつかせるような広告展開をしてくれることを期待しています。