欧米リゾートスキー場のリフト券価格

 前回、「米国ではリフト1日券2万円?」と書きましたが、2022年11月時点で出ているベイルのハイシーズン窓口価格は、2021年の年平均為替レートで換算して30,200円だそうです。2021年の平均レートは1米ドル110円程度なので、今のレートなら3.6万円でしょうか。

 シーズンパスは104,200円、1日券もローシーズンは13,400円ともありますが、同じレポートの別のコメントでは「ベイルではリフトの一日券は200ドル近いが、ほとんどがWEBのディスカウントで買われていて平均単価は 90ドルぐらい」という旨の記述もあります。

 ベイルのホームページを見ましたが、シーズンが終わったこともあって窓口価格は見つけられませんでした。購入時期・利用時期や購入方法によって複雑に料金が異なり、1日券を買う人は少なく複数日券を買う人が多いだろうことも考えると、実質価格の比較が難しそうです。

 米国はアスペンでも25,100円と高いですが、同じ北米でもカナダに行くとウィスラーで11,200円と一気に半額以下になります。

 ヨーロッパアルプスは、ドロミテ(イタリア)は17,800円と高いですが、ツェルマット(スイス)は10,600円、シャモニー(フランス)は9,600円、アールベルク(オーストリア)は8,700円など、ルスツの8,800円やニセコ全山の8,500円に近い水準ですし、ベイルのように実売平均単価は半額ということはなくても、上記の窓口価格よりは何割か安いものと考えられます。

 だとすると、実売平均単価はどこも1万円前後ということになり、設備更新をしていける持続可能なリフト券価格の水準はそのあたりだということかもしれません。

 スキー場は固定費の高いビジネスであり、索道への初期投資は大きいけれどシーズン客数が10万人を超えることで採算が取れるようになり、30万人を超えると投資家への配当も行えるようになるので投資対象として資金を呼び込めるようになるという話もあります。

 日本でシーズン客数30万人を超えるのは、志賀・ニセコを1つで数えると15か所前後でしょうか。もちろん索道基数や規模によるでしょうし、グリーンシーズンも含めて通年で稼げているかということもあるでしょうが、これらは外国人客比率の高いトップリゾートとして、将来的にはリフト1日券価格が1万円前後となるのかもしれません。