長野県のスキー場利用者集計で、山ノ内町は志賀高原から索道輸送人員数の提供を受けて「1人10回乗車」として利用者数を推計していたけれど、「実感と違う」との指摘を受けてリフト券データの提供を受けなおしたところ、昨年の利用者数は従前の推計よりも4割少なかった件で、索道輸送データの提供を受けて1人10回で推計していたのは志賀高原だけだったのだろうかと8/2の投稿で触れましたが、どうやらそうではない疑惑が浮かんできました。
2024/25シーズンは旧集計で104.6万だったのが新集計では60.8万と43.8万減なのに対して、県全体では旧集計で653.9万だったのが新集計では611.1万と42.8万減と1万人異なります。
信濃毎日新聞の記事によると、2020/21シーズンまでさかのぼってリフト券データの提供を受け、志賀高原の客数は20/21シーズンが34.3万、21/22シーズンはグラフから読み取ると45万ほど、22/23シーズンは53万ほど、23/24シーズンは55万ほどです。
旧集計からの減少数はそれぞれ、22.8万、30.5万ほど、33.5万ほど、32万ほどとなりますが、県全体の減少数はそれぞれ27.5万、39.8万、41.9万、31.7万です。22/23シーズンまでは4.7万、9.3万ほど、8.4万ほど志賀高原以外でも減り、23/24シーズンはほぼ同数ということになります。
こうなると、志賀高原以外で、22/23シーズンまで索道輸送人数データを提供していたけれど23/24シーズンから自主的にリフト券データに切り替えていたスキー場があって、そのスキー場についても20/21シーズン以降のリフト券データの提供を求めて再集計して、24/25シーズンの1万人違いは計算間違いなのではないかという疑いも出てきます。
そうだとすると、今回の再集計は県からの指示ではなく山ノ内町としての動きであることから、山ノ内町内のスキー場だと考えられます。山ノ内町には志賀高原の他に、竜王・小丸山・高井富士・よませの4スキー場があります。
長野経済研究所が集計・発表している「県内主要スキー場利用動向調査」ではこの4スキー場をまとめて「北志賀」として集計していますが、竜王は日本スキー場開発㈱の傘下になってから独自に客数を公表しており、「北志賀」からその公表値を差し引くと残り3スキー場の値が分かります。
その3スキー場の客数は、2015/16シーズンからコロナ前の19/20シーズンまでに比べて、23/24シーズン以降のここ3シーズンはほぼ半減となっています。これはどうやら、23/24シーズンから提供データを変更していた可能性が高そうです。
長野経済研究所の「県内主要スキー場利用動向調査」は長野県の利用者統計調査と整合するデータであることから、こちらも索道輸送人員データの提供を受けたスキー場については「1人10回」で推計していたわけで、来年は志賀高原からはリフト券データが提供されて値が大きく減ることになりそうです。
湯沢町発表のスキー場別利用者数で、少雪とはいえコロナの影響を受ける前の2019/20シーズンに苗場の利用者数が半分以下になってコロナ後も18/19シーズンの半分程度で推移しているのも、かぐらの利用者数が同様に6~7割になっているのも、集計方法の変更があったと考えるのが妥当に思えてきました。
スキー場の独自発表ならリフト券ベースでしょうが、行政集計だと昔ながらに簡易的な索道輸送人員数データの提供を続けてきたスキー場が少なくなかったようです。
長野県(山ノ内町)の集計に関しては、なぜデータ修正が2020/21シーズン以降なのかという疑問もあります。
志賀高原では確か1993年からリフト券を電子化しており、システムは変わっているとはいえデータは最初の年度から残っていてもおかしくなく、今のシステムだってここ6年ということはないと思うので、だとすればなぜもっと、さかのぼれるだけさかのぼって修正しないのだろうかという疑問です。
2020/21シーズンというのは、ちょうどコロナで激しく利用者数が減った時であり、集計方法の変更による減少が目立ちにくいタイミングとなっており、データ修正が分かりにくくなることを狙ってのことではないかと勘繰ってしまいます。
データ修正については集計結果の発表書面で、冒頭部分に注釈で「一部のスキー場で今シーズンから集計方法を変更していますが、過去の年度との比較ができるよう過去の数値についても新しい集計方法に基づいて再計算した値を掲載しています。」と書かれていますが、それだけです。
発表書面には参考扱いとはいえ昭和62年度以降の推移グラフや昭和40年度からの推移表があり、その値は2020/21シーズン以降は修正されていますが、そのグラフや表に2020/21シーズンから集計方法が一部変更になっている注釈はありません。
「過去の数値についても…再計算した」と言うなら、それこそ昭和40年度分からすべて「新しい集計方法に基づいて再計算した値」でなければならず、これはもう説明不足ではなく虚偽説明と言えるかと思います。
役所の割にはうっかりしているというのではなく、役所ゆえにすべて承知の上で再集計したことを分かりにくくしているのではないかと思ってしまいます。行政の無謬性や隠蔽体質は今も健在ということでしょうか。