2025/26シーズンのスキー客数

 これまでに、岩手県・福島県・新潟県・長野県、それに兵庫県からばんしゅう戸倉・ちくさ高原・峰山高原・六甲山を除いた但馬地域のスキー場について、2025/26シーズンのスキー客数が発表されています。長野までの4県で特殊索道輸送人員数の全国シェアは5割近く(長野県・新潟県だけで約4割)になります。

 長野県は610.4万人で前シーズン比-0.1%、新潟県は410.3万人で-1.8%、福島県は78.9万人で-13.9%、岩手県は70.4万人で-3.1%、但馬地域は40.2万人で-8.3%で、合計で1210万人は-2.2%となっています。比較的雪に恵まれた2024/25シーズンに比べて、雪不足の影響が強く出たところほど減少幅が大きくなっているのかと思われます。

 例年10月頃に山形県の発表がありますが、傾向に大きな違いはなく数%の減少かと思われます。(年末頃に岐阜県から暦年での集計結果の発表がありますが、2026年末に2025年1月~12月の結果なので1シーズン遅れですし、集計対象外のスキー場があります)

 個別スキー場で見れば、インバウンドに人気のスキー場を中心に、ここ20~25年で最大の客数を記録しているところもあり、長野県が他県よりも減少幅が小さいのはその影響もあると思われますが、全体で見れば日本人客数の減少を補うほどではなく、日本人客数だけで見ればより大きな減少幅になっていることになります。

 例えば、ハクババレーの集計では、2025/26シーズンは前年比103%ですが、内訳は外国人客が127%に対して日本人客は88%であり、コロナ前3年平均との比較では、全体で124%も外国人が299%(3倍)で日本人は80%になっており、外国人比率は20%台だったのが48%になっています。

 ハクババレーで外国人客が3倍といっても増加数は60万人ほどであり、主要県のスキー客数とその特殊索道輸送人員数シェアから推計される全国でのスキー客数がコロナ前で3000万人程度であることからすると、その2%に過ぎません。他の地域でも外国人客が増えていると言っても、日本人客が5%・10%という幅で減れば総数では減ることになります。

 インバウンドの多い長野県は(志賀高原の集計方法が旧基準であれば)コロナ前の水準を超えていますが、新潟県・山形県・福島県はコロナ前より10~20%少なく、冬期(12月~3月)の索道輸送人員数も10数%少ない水準です。

 ハクババレーの日本人客20%減という減少率は、混雑や価格上昇(リフト券・宿代)の影響もあって大きいとして、日本人客に限ると全国的にコロナ前から15%以上減少していると思われ、スキー乗客数の総数は、外国人客の増加で減少率が数%緩和されているという状況かと思われます。

スキー客1人・日あたりの索道利用回数

 長野県(山ノ内町)は、志賀高原から提供された索道輸送人員データから利用者数を推計するにあたって「1人10回」で計算していました。これについて前回、「さしたる根拠もなさそう」と書きましたが、国交省の索道輸送人員数データの長野県の特殊索道の値(通年)を長野県のスキー場利用者数の値で割ると、スキーブーム期半ばから2009年頃までは11台、それ以降は概ね10台で推移しており、この値を参考にしたのかもしれません。

 この「特殊索道輸送人員数(通年)÷スキー客数」を、スキー客数を集計している県について調べてみると、新潟県は8.5回前後、岐阜県・福島県は9.5回前後、山形県は8.2回前後、岩手県は5.5回前後などとなり、長野県が最も多かったです。

 岩手県の5.5回は、いかに安比の索道が長いと言っても、いくら何でも少なすぎると思いますが、索道輸送人員数の数え方が過少なのか、スキー客数の数え方が過大なのか。

 志賀高原について「1人10回」で推計した利用者数に対して、電子化されているリフト券のデータを基にした利用者数は4割以上少なくなったということで、つまり志賀高原では1人17回ほど索道を利用していることになります。短いリフトが多いとはいえ、県平均に比べて非常に多いです。

 志賀高原の2025/26シーズンの利用者数は、「1人10回」推計だと前シーズン比+15%ですが、「リフト券データ」では+3%と大きく違います。1人あたりの索道利用回数が17.2回から19.1回に増えていることになります。

 「リフト券データ」は過去6シーズン分に遡って提供されており、2シーズン前から6シーズン前は15.8~16.9回であり、2025/26シーズンに急増している理由が気になります。

 2023年度から2024年度にかけて、長野県のスキー場利用者数は1割強増えているのに、長野県の特殊索道輸送人員数(通年)は1割減っているなど、利用者数集計と輸送人員数の動きに大きなギャップが生じています。2024年度(2024/25シーズン)は雪に恵まれて全国的にスキー客数が増えており、索道輸送人員数データの方に不具合が生じているに違いないように思われますが、原因は分かりません。

 志賀高原の「1人10回で推計」は、遅くとも平成の初期ごろから用いてきた算出方法であったと信濃毎日新聞の記事にありましたが、平成初期どころか、長野県が集計を始めた昭和40年度分からずっとそうだったのではないかと思われます。

 長野県では冬のスキーは古くから主要産業ということで、昭和40年と早くから客数集計されていますが、あくまで大体の目安であって正確さはあまり気にしない、あるいは、正確な人数の把握は困難だから概数にならざるを得ないという前提で始まっているのかと思われます。

 当初はそれでもよかったと思いますが、大手スキー場では多くが電子チケットになって客数集計が簡単・正確になった今でもその意識が変わっておらず、データの正確性を向上させようという考えがない、あるいは前例踏襲主義で何も考えていない、と思われても仕方のない状況であったことが残念でなりません。

 信濃毎日新聞の記事には、スキー場の利用者数がこれまで公表されていた数値より少なかったことについて、志賀高原で宿泊施設を営む男性の言葉として、「経営に影響はないと思うが、来場者100万人を超えるスキーリゾートとしてセールスしてきた、観光団体や町にとっては影響があるのではないか」と紹介しています。

 が、来場者が100万人を超えていたのは2008年までと去年だけですし、観光団体や山ノ内町がそれを売り文句にしていたことはほぼないように思われ、まったくもって何の影響もないと思います。

 こういうコメントを載せていることが、スキー関連に詳しくない記者や編集部が記事を作っているのだなと、残念に思ってしまいます。

スキー場客数の集計方法

 索道を設置しているスキー場では、索道の利用者数について国交省に届け出る必要があり、それで昔からリフト乗り場で手動カウンターでカチカチと数えていたりします。

 利用者数(客数)については、スキーが主要産業であるいくつかの自治体が独自に集計していますが、あくまでスキー場側の自己申告をアンケートで集めているだけで、各スキー場がどう数えているかを行政が確認することはなさそうです。

 この度、長野県が2025/26シーズンのスキー客数を発表しましたが(7/29付での発表後、8/2現在ではなぜか削除されています)、その中で、一部のスキー場において集計方法の変更があったということで、昨シーズンデータについては新しい集計方法での値が掲載されていました。それによると志賀高原について、それまでの集計方法(昨年発表データ)だと104.6万人だったのが、新しい集計方法では60.8万人へと4割も減少していました。

 利用者数の集計方法なんてそもそもが、リフト券の発券枚数や有料キッズパークの入場者数を基本に、シーズン券が1日券への引き換え制ではない場合はどう数えるかくらいのもので、リフト券が電子化されていれば自動集計なのではないかと思っていたので、実際の1.7倍にもなるとは志賀高原はいったいどう数えていたのかと疑問でした。

 この件について、7/31に町役場で開いた報道機関向けの説明会で山ノ内町長が陳謝した、と信濃毎日新聞が伝えています。

 その記事によると、町はスキー場運営会社から提供された数値を基に集計しているが、志賀高原からは索道輸送人員の数値が提供されていたらしく、町は、利用者1人当たり10回乗る想定(輸送人員数の1/10)で推計していたとのことです。

 この値について関係者から「実感と異なる」という指摘があり、電子チケットシステムに基づく利用者数の提供を受けたところこうなった、ということですが、まさに「お役所仕事」感を強く感じる出来事です。

 個人的にも以前から、志賀高原が八方や五竜47や野沢温泉の2.5倍ほどもの客数というのは「広いとはいえそんなに違うのか?」と「あれだけ広ければそうなのか」が相半ばするものの、志賀高原はリフト券を電子化していることからも正しい数字なのだろうと思っており、まさかそんないい加減な集計実態だったとは思いませんでした。

 志賀高原側からすれば、リフト券電子化の目的は、索道会社ごとの利益配分のために索道ごとの正確な利用者数を把握することであり、利用者数については、簡単に集計できるからといって集計するメリットも動機もないのは分かります。

 事業者としては、行政からのこの手の調査依頼への対応は正直面倒なばかりで、提供すべきデータの集計方法に決まりがなく、国交省向けの輸送人員データの提供を昔から長年続けていて問題ないなら、チケットを電子化して集計しやすくなったからといって提供するデータを変更することにも、メリットも動機もありません。

 「1人10回」というさしたる根拠もなさそうな推計データを使い続け、30年以上も前にチケットを電子化している県下最大のスキー場に対して、輸送人員データではなく、より利用者数実態に近いリフト券発券枚数などのデータ提供を求めて来なかった行政の思考停止に問題があると考えます。

 今回、志賀高原だけ変更となったのは、輸送人員データを提供していたのが志賀高原だけだったからなのだと思いたいですが、関係者からの指摘が志賀高原についてだけだったからで、他にも同様の推計をしているスキー場があるのにそちらは何もしていない、でもおかしくなさそうです。

 また、志賀高原は5つの事業体により運営されていて、山ノ内町もそれぞれにデータ提供を依頼しているのですが、全山1日券利用者が複数エリアを滑っても1人でカウントされるようにデータ提供依頼しているのかも気になります。

 もしかすると、そういった集計結果の見直しをすることになって、一旦発表した結果を取り下げたのかもしれません。

索道の寿命

 スキーリフトの新設数は1980年頃から増えて、80年代半ばから90年あたりにかけてが年200基前後でピークとなっています。日本のスキー場のほとんどの索道が設置から既に30年を超え、40年超えもどんどん増えてきており、老朽化で全面的な更新を迫られているのはどこも似たような状況です。

 北海道のリゾートスキー場では10数年前から更新や新設が始まっていますが、北海道以外では、2018年の石打丸山(サンライズエクスプレス)と奥伊吹(クワッドリフト更新)、2020年の野沢温泉(長坂ゴンドラ更新)から、ここ数年で大動脈となるゴンドラやクワッドリフトの更新がようやく動き出したところです。

 ところで、索道の寿命は何で決まるのでしょうか。

 ケーブルは何十年も同じものを使い続けていないでしょうし、原動機や搬器の置き換えは作業的には簡単そうです。ということは、支柱の寿命が索道の寿命ということでしょうか。

 コンクリート電柱の寿命が50~60年、送電鉄塔の寿命が60~70年と考えられているようで、リフトの支柱に多い、コンクリ土台に鉄管の場合、電柱同様50年が一つの目安になるのでしょうか。

 ロープウェイや、チェアリフトでも古いものだと、送電線の鉄塔のような構造の支柱が多く、これだと支柱寿命も60~70年なのかもしれません。実際、現役で日本最古のチェアリフトは1972年施工の54年物、ロープウェイだと1928年建設の支柱がそのまま現役のものがあるとのことで、こちらはもうすぐ100年になります。スキー場のロープウェイだと蔵王に1962年のが最古だと思われ、60~70年ならそろそろですが、100年ならまだまだいけることになります。

 リフトの寿命は、何となく30~40年くらいで、それならほとんどのリフトがもうそろそろ寿命じゃないかと思っていましたが、経済的に合理的な更新時期(その先何十年と使い続けるなら、修理して使い続けるよりも作り直した方がトータルで安上がりになるタイミング)は30~40年ということはあっても、ボロいのを承知で使い続けるぶんには50年でも(送電鉄塔型ならもっとでも)大丈夫なのかもしれません。

 だとすると50年超えの急増まであと5~10年ですが、スキー場の索道は全国に1500基ほどあり、ピーク期には10年で1800基が新設されたとはいえ、これからの10年で千数百基を更新することは経済的にも工事キャパ的にも現実的ではないように思います。

 これからの10年、単なる赤字廃業に加えて、設備をそのまま使えるなら何とか継続可能でも更新費用を出せずにリフト廃止やスキー場廃業というところが増えると思われ、また、設置50年超えのリフトがどんどん増えていくことになりそうです。

ニセコの索道更新

 ニセコビレッジとアンヌプリで索道の更新予定が発表されています。

 ビレッジでは、1982年設置の森のチェアリフト(グリーンリーフホテルの横から中段までのペアリフト:長さ1093m・高低差345m)を撤去して、来シーズンから8人乗りゴンドラ(チェアリフトとのコンビリフトとの情報もあり)になります。

 そして、今のリフト降り場地点を中間駅にして、2027/28シーズンには上部まで延伸するとのことです。

 山頂駅は標高930m地点ということなので、旧・東山ゴンドラの山頂駅(現在のパトロールハウス)エリアで間違いないと思います。そうなると中段から上部にかけてのカントリーロードチェアリフト(1983年設置・2人乗り:長さ1016m・高低差274m)も廃止ということになるでしょう。

 これはほぼ、旧・東山ゴンドラ(1982年設置・4人乗り:長さ2023m・高低差627m)の復活に近く、全長2㎞のちょうど真ん中あたりに中間駅を設けることになりますが、ビレッジは下半分が上半分に比べて緩斜面ということもなく、下半分だけを回したい利用者が多そうには思えません。

 中間駅はコストもかかるし上部までの乗車時間も長くなるので、効率的には中間駅を設けない方がいいはずですが、山麓駅と山頂駅を直線で結ぶルートが取れず屈曲の必要があるのか、それとも、ビレッジは中間部に休憩所がないので、中間駅には休憩所を設ける目的もあるのか、その両方か。

 あるいは、中間駅での折り返し(下半分だけでの)運行をできるように(実例を聞いたことはありませんが技術的に不可能ではないのではないかと想像します)するのであれば、上部強風時に下だけで営業できて価値がありそうです。

 山麓駅は今のホテル横ではなく、標高が15~20m上の、観光・初心者用の短いゴンドラの山頂駅のある場所になるようで、地図で見ると確かに平坦なスペースが広がっていますし、コースレイアウト的にもそこの方が使い勝手がよさそうです。

 何より、山頂駅が旧東山ゴンドラと同じ場所というのがいいです。ヒルトンホテル前からのニセコゴンドラだと、非圧雪エリアに向かうのに登り区間や長い平坦路を進むか西斜面の「こんぶ」をトラバースしていくしかなかったのが、ちょっと平坦路を漕ぐだけでよくなります。

 ただ、そのアクセスの悪さからちょっと穴場的だったのが、これでここもあっという間に新雪を食い尽くされることになりそうなのは残念です。

 山頂部のワンダーランドチェアリフト(1982年設置・1人乗り:長さ802m・高低差244m)のペアリフトへの更新も行うということで、そうなるとビレッジでは1980年代設置の索道は、麓エリア西側のバンザイチェアリフト(1984年設置・2人乗り:長さ427m・高低差128m)だけになりますが、これも無事更新されるのかどうか。

 ニュースリリースには「老朽化した5本のリフトを2本の最新ゴンドラと新チェアリフトに集約」という文言があり、そのとおりだとコミュニティチェア(1996年設置・2人乗り:長さ682m・高低差73m)ともども廃止されてしまいそうです。

 アンヌプリは、1985年設置の現在のゴンドラを、2028/29シーズンに10人乗りに更新するということで、これでニセコのゴンドラはビレッジのニセコゴンドラ(1993年設置)が最古で、あとは2011年以降の設置と若返ります(ニセコゴンドラは次が34年目と十分に古く、ヒラフのキングゴンドラも16年目では新しいとも言い難いですが)。

 リフトだと、ヒラフのキング第4シングルが1983年、エース第4ペアが1985年、ジャンボ第2ペアが1988年、花園第2クワッド・第3クワッドが1989年、アンヌプリのジャンボ第1クワッドが1992年、そしてビレッジのニセコゴンドラが1993年、ジャンボ第3ペアが1997年・第4ペアが1999年設置と続きますので、まだ10年くらいは更新ラッシュが続くのかと思われます。

ランクを上げるにはアジアカップ全勝優勝

 4年後のW杯に向けて目指すべき目標の一つは、出場権獲得は当然として、その上で第1ポット入りということになるでしょうか。第1ポッドになることで、グループリーグで強豪と当たりにくくなり、1位通過の確率が上がり、トーナメント1回戦での強豪との対戦の確率が下がります。(今回のオランダのようにモロッコと当たることもありますが)

 次回のW杯は、スペイン・ポルトガル・モロッコと強豪国による共催ですが、100周年記念大会で開幕戦はアルゼンチン・ウルグアイ・パラグアイで行われ、計6か国の出場が既に決まっていて、第1ポッドに入ることになるのでしょう。

 ウルグアイとパラグアイ以外は開催国でなくても第1ポットのランクですが、開催国でなければ第1ポットではない国が2つあることで、48か国での開催であればランク10位が第1ポッドのボーダーラインになります。

 現在17位の日本がポット1入り=トップ10入りするには、ランキングポイントの大幅な積み増しが必要です。それにはとにかく勝つこと、特に、ポイント係数の高いアジアカップやW杯予選で勝ち続けることが必要です。

 ランク10位のポイントは、2022年大会直後が1693で2026年大会直前が1736(ポット分けの決定は大会直前ではありませんが)と43ポイント増えており、現在の10位が1754なので同じ調子なら1800ほど必要ということになります。日本は今1674なので、126ポイントの積み増しが必要です。

 アジア相手だと、4強(イラン・豪・韓国)相手ならまだしも、その他の国には勝ってもさほど大きなポイント増になりませんし、引き分けでもそれなりのポイント減になって負けると大きなポイント減となるので、4強以外とは負けるどころか引き分けも許されません。ひらすら勝って勝って勝ちまくらなければ、大幅なポイントの積み増しはできません。

 年が明ければすぐにアジアカップが始まります。これまでも無敗でグループを抜けて優勝した国は、あるいはトーナメントでは負けてもポイントを失わないので準優勝やベスト4でも、大幅な積み増しがされています。

 分かり易いのがアジアカップ2連覇中のカタールで、2大会とも(前々回大会などランク93位のポット3から)全勝でグループを勝ち抜けての優勝で、前々回大会ではポイントを140増やしてランクは93位から55位に38ランクアップ、前回大会は92ポイント増やして58位から37位に21ランクアップしました。日本も前々回大会では無敗で決勝まで進んだことで、81ポイントを得て50位から27位に23ランクアップしています。

 日本は前回大会はグループリーグでイラクに敗れたうえにベスト8でイランに負けたことで、ポイント計算的にはトータル3勝1敗ながらわずかにポイントを減らして終わりました。全勝優勝していれば今よりも80ポイント近く多かった計算で、開催国が3か国もなければポット1入りしている可能性が高かったです。

 次回大会でも、全勝優勝なら70ポイントほど増えると思われ、トップ10入りが見えてきます。その後のW杯予選も、4強との対戦でも負けることなく、4強以外には全勝すればランク10位内は維持できるはずで、あるいはそれくらいでないと50ポイント以上積み増すのは難しそうに思われます。

 日本は、2022年のW杯で格上に2勝1分け(PK負け)したことで(格下に1敗しましたが)ランクを24位から20位に上げ、アジアカップでポイントを減らしたにも関わらず20位以内をキープしつつ最高15位まで上げられたのは、W杯予選での取りこぼしが少なかった(2次予選全勝はもちろん、最終予選でも豪に1分け1敗とサウジと引き分けの7勝2分け1敗)ためと考えられます。

 アジア勢相手に荒稼ぎできてもW杯で勝てる実力が付くかは別物でしょうが、今のアジア勢には無敗なくらいの強さでないとW杯での上位進出など夢のまた夢のようにも思われます。

 監督は続投ですが、W杯終了は選手の入れ替わりのタイミングでもあり、W杯終了の半年後のアジアカップは、チーム編成や成熟という点で難しいところもありそうですが、ものともせず、結果にこだわって、全勝優勝してもらいたいものです。

順当すぎる大会

 今大会のW杯は、大会前のランク上位4か国の1位と4位、2位と3位による準決勝となり、ランク1位の南米王者と2位の欧州王者による決勝戦と、ランク3位と4位による3位決定戦になりました。

 決勝と3位決定戦こそランク下位の勝利となりましたが、これまでに「外国人監督(イングランド)の優勝はない」「前年バロンドール獲得選手所属国(フランス)の優勝はない」「大会直前ランク1位国(アルゼンチン)の優勝はない」という前例を覆すこともなく、かつてないほど順当すぎるほど順当とも言える大会であったかと思います。

 ベスト8の顔ぶれを見ても、6位モロッコ、8位ベルギーが入っており、上位8か国でベスト8に残れなかったのは、スペインに敗れた7位ポルトガルと、ノルウェーに敗れた5位ブラジルだけでした。

 ベスト8にランク31位のノルウェーが残ったのも、ハーランドを擁してイタリアと同組の欧州予選を全勝突破したノルウェーがランク31位の実力とは目されておらず、ベスト16でブラジルに勝利したこともそう大きなサプライズではなかったのではないでしょうか。ノルウェーはこれでFIFAランク19位になりますが、実力的にはまだ、より上位なのかと思われます。

 日本は1勝2分で12ポイント増やし、2分1敗でのグループリーグ敗退で38ポイント減らしたウルグアイ(16位→20位)と1勝2敗で30ポイント減らしたセネガル(15位→18位)を抜いて、4勝1分でのベスト8進出で61ポイント増やしたスイス(19位→14位)に抜かれて、W杯前の18位から17位に1つだけランクアップです。

 アジア勢で順位を上げたのは、日本と、2分1敗ながらウルグアイとの引き分けが効いてわずかながらポイントを増やしたサウジアラビア(61位→58位)だけで、イランは10ポイント減らして20位から22位に2ランクダウン、オーストラリアは2ポイント増やすものの27位から28位に1ランクダウン、韓国は33ポイント減らして25位から32位に7ランクダウンなどとなっています。

 グループリーグ突破が、アジア勢が9か国中2か国に対してアフリカ勢は10か国中9か国というのが話題になりましたが、グループリーグでの勝ち点はアジア勢が9か国で18に対してアフリカ勢は10か国で40と1か国平均で2倍であり、その結果としてアフリカ勢は10か国中7か国がランクを上げています。

 大会前は、地域内の3番手と4番手だけはかろうじてアジア勢の方が上位だったのが、大会を終えてすべての番手でアジア勢はアフリカ勢を下回ることとなり、FIFAランクにおいてもアジアに対するアフリカの優勢がハッキリとしてしまいました。