2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

マックアース -3

(前回から続く) 雪不足が2年続いたことによるスキーからの客離れについては、マックアースの一ノ本社長もブログで、「昨年までの2年の暖冬によるマーケットのシュリンク。滞在時間の短縮傾向で再生ハードルは毎年たかくなっています。3年前ならいけると思…

マックアース -2

マックアースが撤退した13のスキー場の後の2つは、指定管理を3年だけ受託した北海道の今金町ピリカと、指定管理受託を契約途中の2年で解除した徳島の井川腕山。 井川腕山は、愛媛で石鎚スキー場を運営している石鎚登山ロープウェイが指定管理を引き継いで営…

マックアース -1

昨シーズンから今シーズンにかけて、運営管理者の変わったスキー場が多い。15/16、16/17と2シーズン続いた雪不足で耐え切れなくなったところが続出しているのか。 マックアースがまとめて手放したことが大きいのだが、マックアース以外も含めて、買い手なり…

スキー未来会議 #3 -4

(前回から続く) 第2部では、3名のパネリストがスポーツにおけるITの活用事例を紹介している。 楽天の杉浦氏は、野球場の売店などをキャッシュレス化することにより、現金でのやりとりが減り効率的になっていると、スポーツを興行化するうえでのキャッシュ…

スキー未来会議 #3 -3

(前回から続く) リフト券のチケットレス化については、個人的には、skilineのように、いつ・どのリフトに乗ったかのログを提供してもらえると嬉しいし、システム的にはすぐできるはず(というか事業者側はそれが導入目的のはず)なのだが、志賀高原がskili…

スキー未来会議 #3 -1

第3回は2017年11月に「スキー産業活性化ビジョン」「ICT、IoTによるスキー産業革命」のテーマで開催された。 「スキー産業活性化ビジョン」は皆川氏がスキー産業の現状を語り、「ICT、IoTによるスキー産業革命」ではITジャーナリストの井上晃氏、楽天株式会…

スキー未来会議 #2 -5

(前回から続く) スキー客が勝手に見つけ出した(埋もれていた)価値としては、バックカントリー(サイドカントリー)スキーがあるかもしれない。 パウダースノーやシャンパンスノーといった呼び名で雪室の良さをアピールすることはバブル期からあったが、…

スキー未来会議 #2 -4

(前回から続く) それとも、「過去にしがみついたプロダクトアウト前提のマーケティング」の要点は「プロダクトアウト」よりも「過去にしがみついた」にあるのだろうか。だとしても、これは何を指しているのだろう。昔から変わり映えしないもの。例えばゲレ…

スキー未来会議 #2 -3

(前回から続く) ゼビオの諸橋氏は、バブル期以降のスキー産業市場の落ち込みについて、「かつてのスキーブームの時は、スキーを楽しむには非常にストレスになる事が多いにも関わらず「また来たい!」と思わせる価値提供ができていた時代だった。しかし、時…

スキー未来会議 #2 -2

(前回から続く) 続く『スキー産業のリアルな今と未来~小売りから見えるウインター産業の実態』では、スポーツ庁民間スポーツ担当の由良氏、ゼビオホールディングス代表取締役の諸橋氏、クロススポーツマーケティング(ゼビオグループ)代表取締役社長の中…

スキー未来会議 #2 -1

第2回のスキー未来会議は、2017年5月19日に、『インバウンド』と『小売りから見えるウインター産業の実態』というテーマで開催された。 『インバウンド』では「スキーリゾート、最新状況分析」として、第1回に続いて観光庁の蔵持氏と、日中スノー産業交流協…

スキー未来会議 #1 -5

(前回から続く) 「スキー場の数は適正か否か」というテーマ設定がかなり乱暴な感じがするが、バブル期比較での市場縮小を嘆くばかりの業界に一石を投じるためのものなのだろう。 縮小しはじめてかれこれ20年以上。市場経済原理が機能していれば、淘汰が終…

スキー未来会議 #1 -4

(前回から続く) 「スノーリゾート地域の活性化推進会議」の第4回会議(2018年6月1日)で観光庁が参考資料として提示した「海外スキー市場に関するデータ整理」では、リフトが5基以上あるスキー場が中国に84箇所となっているが、これもあやしい。同会議での…

スキー未来会議 #1 -3

(前回から続く) スキー場数の統計資料になりうるものとして、文部科学省が5~7年ごとに行っている「体育・スポーツ施設現況調査」というものがあるが、教育委員会へのアンケート調査ということからか、1980年調査で全国に769箇所、1985年調査では1669箇所、…

スキー未来会議 #1 -2

(前回から続く) 第1部では、雪マジを立ち上げた加藤氏が今後のインバウンドについて、 「オーストラリアの方がスキーをしに来ているというイメージが強いですが、全体の1.9パーセントほどです。実際は、中国や韓国、タイといった東・東南アジアの人たちが…

スキー未来会議 #1 -1

皆川賢太郎氏が2016年10月に第1回を開催し、2017年11月の第3回まで開催されている「スキー未来会議」(第3回終了時に「第4回は来年5月に開催予定」とされていたのが、その後なんの告知もなく開かれなかったのが気になる)。 皆川氏によるとその目的は、 ・20…

ザウス的屋内ゲレンデについて -5

(前回から続く) 屋内ゲレンデはドバイにもあるし、スペイン・イギリス・オランダ・ベルギー・ドイツ・リトアニア・ロシアなどにもある。ドバイはもちろん、スペイン(マドリード)なども冷涼な気候ではないし、オランダやドイツのものは首都などの大都市近…

ザウス的屋内ゲレンデについて -4

(前回から続く) ザウスは11月が一番混雑し、9月から12月にかけてが繁忙期で、1月から3月が閑散期だったというが、それはあくまで「ホンモノの代わり」であってホンモノとは別の独自の価値を提供できなかったからとも言えそう。 当初のライト層狙いというと…

ザウス的屋内ゲレンデについて -3

(前回から続く) ザウスはスキー場全体に比べて客の目に見えての減り始めが遅かったが、最終の2002年でも客数がピークの3割減程度だったなら、減り方もスキー場全体に比べるとマシなほう。 例えば、特殊索道(いわゆるチェアリフト)の輸送人員数は、1990~…

ザウス的屋内ゲレンデについて -2

(前回から続く) 最終年度で、営業キャッシュフローがほぼトントン、営業損益は減価償却費の20億円が赤字。最終年度は来場者70万人強だったらしい(60万人台とする情報もある)。最後の方はwebサイトに3800円の割引券が出ていたというが(正規は5400円)、…

ザウス的屋内ゲレンデについて -1

皆川氏のスキードーム構想について、その時の記者の記事に気になる記述があったので、それについて一言。 ---記事引用-ー- 千葉県船橋市にあった「スキードーム ザウス」はバブルのあだ花としてすっかり有名になり、負のイメージが根強いが、「ザウスは…

皆川氏の発言:収益化-2

(前回から続く) 皆川氏の発言としては取り上げられていなかったが、記者の文章で、”スポーツとしての「興行化」。これが皆川氏が掲げるキーワードだ。”、”独自財源の確保に向けたもう一つの柱が「観るスポーツ」としての発展だ。”、そして、”産業振興が選…

皆川氏の発言:収益化-1

インタビュー記事での皆川賢太郎氏の発言まとめ。 次はマーケティング担当常務理事として、SAJの収益化関連について。 「支出ばかり意識しても考え方が狭くなる。それなら全体の収益を増やして使えるようにしたらいい」 「スキー連盟には国などからもらえる…

皆川氏の発言:選手強化-2

(前回から続く) ここで「今まで流れなかった強化費」と言っているのは、「無駄な経費ばかりかかり」から繋がるのだろうけど、皆川氏が言うと「アルペンに流れてこなかった」という、メダル有望種目に重点配分とする方針に対する恨み節にも聞こえる、という…

皆川氏の発言:選手強化-1

インタビュー記事での皆川氏の発言を抜き出してまとめてみる。 まずは選手強化について。 「(強化のための)予算を5倍もかけている国と戦っている選手もいる。そのなかで成績を上げている彼らの努力はすごいが、十分に知ってもらえていないのは我々の能力…