マックアース -2

 マックアースが撤退した13のスキー場の後の2つは、指定管理を3年だけ受託した北海道の今金町ピリカと、指定管理受託を契約途中の2年で解除した徳島の井川腕山。

 井川腕山は、愛媛で石鎚スキー場を運営している石鎚登山ロープウェイが指定管理を引き継いで営業、今金町ピリカは昨シーズンはリフト営業はせず、キャタピラ車で人を運んでの営業を行っていた。

 大挙撤退で「マックアース神話の終焉」という感じもするが、撤退していない25は成功しているのだとすれば、今のところ成功率は66%で、引き受け手が見つからず休業状態なのは8%だけ。事業再生案件としては悪くない数字に思える。

 少額出資(100万円で9.1%株主)して業務提携していた「野麦峠」も、今シーズンはマックアース30が使えなくなっているので、もしかすると出資を引き揚げて提携を解消したのかもしれない。

 これも含めると39に関わって14撤退で、撤退の半分は今シーズン。15/16限りが2つ、16/17限りが3つ(さのさか含めると4つ)と、この3年で12の大規模リストラは、やはり雪不足の影響だろう。

 手がけた時期でみると、11/12から(シーズン途中での経営権取得含む)が8つ、12/13からが6つ、13/14からが6つ、14/15からが6つと、2011年から2015年にかけてが絶頂期といえそう。

 運営形態でみると、12/13までは取得して所有がメイン。13/14から指定管理受託が増え、経営権の自社所有は14/15からのヤナバとエコーバレーが最後か。所有も管理受託も成功率は同程度。

 メディアの取材も2014年あたりから増えだして、2015年末に日経新聞日経産業新聞で特集記事になり、2016年2月にテレビ東京カンブリア宮殿に取り上げられたのがピーク。放送時は既に、このシーズンの記録的雪不足のせいで、終わりが始まっていた、と言えなくもないのだけど。

 震災を底にレジャー消費が好調に推移、12/13から14/15にかけては降雪にも恵まれ、スキー業界も転落から20年になろうかというところでようやく底を打つかと思われていた。マックアースとしては、底値買いして、買った途端に稼ぎ出したという感じだったのではないだろうか。追い風を受けてグーンと持ち上げられたところで、15/16は天気にバシッと叩き落されたような感じだろう。好事魔多し、ではないが、お天道様にはかなわない。

 しかも16/17も年始になっても雪降らずと2年連続の雪不足。17/18は雪の降りだしはよかったものの、3月以降は15/16並みに壊滅的に暖かかったこともあって、14/15の水準に戻すどころか、長野県も新潟県もまさかの前年度比微減。雪不足が2年続いたことで客が離れたのではないかと危惧されている。(続く)