マックアース -3

(前回から続く)

 雪不足が2年続いたことによるスキーからの客離れについては、マックアースの一ノ本社長もブログで、「昨年までの2年の暖冬によるマーケットのシュリンク。滞在時間の短縮傾向で再生ハードルは毎年たかくなっています。3年前ならいけると思えたものも いまはもうハードルが上がりすぎたものもあります。」と書いている。

 年末年始の休み中に子供連れでスキーに行くような層が、行ったはいいが雪不足で滑るところが少なく、そのため混雑していて楽しくなかったのが2年続いたことで3年目は行かなくなったということか。それでもう今後も行かないのだろうか。スキー場の雪が多いからといってスキーに行くようになる人はほぼいないけど、雪不足が続くと行かなくなる人は多いとなると、スキー客は不可逆的に減るばかり。

 滞在時間の短縮傾向というのも確かに感じる。15年前には既に、3連休に2泊で行っても3日目は滑らずに帰るという人がいて驚いた記憶があるが、今やシーズンに何回か行く若者でも「仕事前日は滑らない」という方が多数派のよう。リフトが混む時間帯も、バブル期は営業開始時間前からゴンドラは長蛇の列で8時台・9時台が激混みだったのが、今は10時台が最も混むようになっている。

 再生ハードルが高くなったことで、今シーズンはマックアースが07/08に国境高原でスキー場運営を手掛けてから初めて、新規運営開始のないシーズンになりそうだが、自社運営から業務提携に方針転換したようで、一気に4つと提携を開始している。道北最大級のカムイスキーリンクスが提携するメリットはよくわからないが、広島で3つ増えて5つになるのは、広島エリアでマックアース30が売れるようになって提携先のスキー客も増えるかもしれない。

 一ノ本社長はブログで、「多くのスキー場に関わってきて 成功もありましたし 失敗もありました。やってみないとわからない事もおおく 挑戦せずダメだと決めつけるのもよくないと思うし もう、今受けないと閉鎖みたいな話も多かったのも事実です。なので残念ながら成功しなければ撤退も売却もします。」と、敗者の弁とも言える内容も書いているが、主題は「スキー場再生のカテゴリー」というタイトルのとおり、スキー場の経営改善の可能性を「民間所有か自治体所有か」「付帯収入も全て取れるか/取れないか」「オペレーションやマーケティングの変更で改善できるか/大きな設備投資を伴わないと改善できないか」でグループ分けして論じたもの。

 「オペレーションやマーケティングの変更だけでは改善が難しい、大きな設備投資が必要なところは、資金力のある会社に承継してもらうのがベスト」と書いているのは、斑尾だったりチャオ御岳だったり、ブルーキャピタルにまとめて譲渡したスキー場のことを言っているのだろう(ブログ発信時点ではブルーキャピタル案件は公表前)。