おんたけ2240、またも漂流か

 Mt.乗鞍は売却検討の報道があったが、休暇村エリアは休止するが他は営業するということで地元的には一安心。

 一方で、おんたけ2240は、王滝村による指定管理者の募集が公告されている。

 2017年にマックアースが5年間の指定管理契約を満了して更新せず、2018年に太陽光発電事業などを手掛ける㈱アンカーが指定管理者に名乗りを上げて10年間の契約をしていたのだが、わずか3年での指定管理者募集。説明は見当たらないが、契約は途中で破棄されたということだろう。

 1年目は食べ放題など他にはない施策を打ち出すも、2年目、3年目とふつうになってゴンドラ運行もやめて、うまくいってないであろうことはみえていたが、やめさせてくれと泣きが入ったのだろうか。違約金の支払いでもあったのだろうか。

 マックアースから、Mt.乗鞍のほかエコーバレー・白馬さのさか・箕輪を継いだブルーキャピタル、おんたけ2240を継いだアンカー、チャオ御岳を継いだ優福屋と、マックアースが撤退した後を引き継いだ新規参入異業種組はどこも苦戦している。

 もう20年以上、スキー場運営のベテラン企業が次々と撤退していったこの業界で、なぜ「いける」と思ったのか。コロナ禍は想定外としても、自然相手の商売だから不可抗力的に計画が狂うことはあるだろうに、見立てが甘すぎたというだけなのか。

 設備更新費用も含め10年分くらいの資本を持ったところでないと、新規参入で安定的なスキー場運営は難しいのではないかと思うが、そんな見通しはインバウンド集客に自信がなければ無理だろう。

 おんたけ2240は、これまでも指定管理者募集に応募がないことがあり、2017/18シーズンは、それまでの5年間の運営会社であった「御嶽リゾート」(マックアースと王滝村第三セクターとの出資による会社)を(応募していないのに)指定管理者として営業した。

 加森観光が撤退してマックアースが手を挙げるあいだの2011/12シーズンも指定管理者の応募がなく、このシーズンは村営で営業している。2005年に民営化して以降、加森観光やマックアースは指定管理料だけでやっていたのかもしれないが、今やまたほぼ王滝村直営のようなものか。

 高標高で雪質はよくシーズンも長いが、ICから遠く、大幅な集客増は見込めない。ならば他のスキー場同様、グリーンシーズンに売り上げの立つアクティビティを用意して集客を図る必要があるが、それもまた、都市部やICから遠いことから難しい。

 アクセスの悪さを補える独自の魅力がない限り、存続は厳しく、王滝村がどこまで公費投入を続けるか次第だろうか。

 木曽福島スキー場は自立を目指してクラウドファンディングを利用するなどして頑張っているが、開田マイアは木曽町の公費投入なしには成り立たないようなので、御嶽山のスキー場は絶滅の危機にあるといえそうだ。