御嶽スキー場が、2011/12シーズン限りで閉鎖されているチャンピオンゲレンデを11年ぶりに復活させるべく準備しているとのこと。
往時のゲレンデマップでは上級者コースとなっていて、その昔に滑った時の記憶では確かに急斜面だったイメージなのですが、クワッドリフトのスペック(長さ1288m・高低差260m)を見ると平均斜度は第5クワッドリフトよりも緩いくらい。
途中に急斜面部分があるというだけで全体には中緩斜面が多い構成で、国土地理院の地図を見たところ、その急斜面もそれほどではなさそうです。
㈱アンカーとの10年間の指定管理者契約を「地元への還元が少ない」という理由で3年で解消したのは、㈱アンカーとしても万策尽きて辞めたがっていたということもあると思われますが(指定取り消しは納得できないとして索道事業を譲渡する申請書への署名を拒否し、王滝村が指定管理料(手切れ金?)として2500万円を支払うことで決着したとのことですが)、代って指定管理者となったのは、2019年から一足先に木曽福島スキー場の指定管理者を別会社を立てて請け負っている、王滝村にカレーショップを出店している会社。
木曽福島スキー場がそれなりにうまくいっているということなのでしょうし、スキー場の支配人には、このスキー場を作った元村長を祖父に、元スキー学校長を父に持つというサラブレッドとも言うべき家系の方が就いていて、地元とスキー場への愛は間違いないでしょう。チャンピオンゲレンデの復活というのも支配人の意欲の現れと思われ、その心意気は頼もしいです。
10年動かしていない高速リフトの再稼働にはそれなりに経費は掛かるでしょうがゴンドラを動かすよりは安いのでしょうし、元あった3コース全て復活させるのかは分かりませんが、1.5㎞ものコースが増えて魅力向上に繋がることは間違いありません。
「ツリーランやバックカントリーも楽しめるフィールドにします」とも言っており、マックアース時代の高速系レースバーン設置や、アンカーのポールボード推しよりは、一般客へのサービス向上策として効果的のように思います。
とはいえ、2021/22シーズンの3月末までの利用客数は㈱アンカー1年目を下回って、噴火のあった直後の2/26からしか営業できなかったシーズンに次ぐ少なさとなっています。㈱アンカーの時と同様、秋になってからの指定管理者決定では宣伝が十分にできなかったのが大きいのかもしれませんが、せめて噴火前の水準(㈱アンカー2年目・3年目の1.5倍程度)でなければ、王滝村もそういつまでも支え続けられないのではないかと思われます。
チャンピオンゲレンデを復活させても、ツリーランエリアを設けてもバックカントリーを推奨しても、都市部からも高速道路からも遠い立地でそう簡単に利用者数が大幅に増えるとは思えませんが、魅力を増して発信して持続可能性を取り戻してほしいと思います。