上高地周辺が訪日客やマイカー客の増加でエライことになっているらしい。
夏休みや連休を中心に渋滞が発生して、紅葉が始まった3連休中の10月13日は、沢渡にある1239台の市営駐車場は午前5時ごろに臨時も含め満車になり、民間795台の駐車場も満車になって、午前9~11時ごろには沢渡周辺で駐車場に止められない車による国道両脇への路上駐車が相次ぎ、路上駐車でバスのすれ違いが難しくなってさらに渋滞が起き、道路工事で片側通行の箇所があったことも拍車をかけて上高地から下山できなくなり、夕方には沢渡バスターミナルから約20㎞の渋滞が続いたとのこと。
窓口で対応した人数や団体バスの数などから見込む今年の外国人観光客は全体の4割ほどで50万人を超えると推測ということですが、訪日客はマイカーでは来ません。
沢渡駐車場の利用台数は2014年には3万5509台(入込数127万7800人)だったのが、今年は8万9121台(143万人;10月末時点)と、入込数が1割ちょっとの増加に対して車は2倍以上の増加いうことで、この10年でそんなにバスからマイカーに移ったというのは意外です。
道路上の電光掲示板で渋滞中の注意を促したり、岐阜県の平湯側との連絡網を構築して駐車場の空き状況に合わせて案内したりと、環境省や県、市なども対策は講じているということで、来年度に向けて臨時駐車場の増設や沢渡駐車場付近の道路状況がウェブ上で見られるカメラの設置などを検討しているということですが、大量に増設できるスペースがあるとも思えず、情報発信と平湯側への誘導と同時に、周辺道路を駐車禁止にして、監視員を貼り付けて駐禁を切りまくりでもしないことには、路上駐車はなくならないのではないでしょうか。
パーク&ライドできるよう、手前に駐車スペースを取ってバスを増便するとかも考えられますが、それはそれでバスの運転手の確保が壁になりそうです。路上駐車が出るのは夏休みや秋の連休だけですし。
中部縦貫道の松本~安房道路間を考えないとって話にもなりますが、福井県部分や岐阜県部分がゆっくりではあるけれど着々と進んでいるのに対して、長野県側は松本からの5.3㎞の工事が始まっただけです。
そこから先、安房峠道路までの現在の国道158号で35㎞ほどの区間は基本計画で止まったままであり、どう見てもトンネルだらけの難工事であり、事業化されてもそこから10年以上かかるのは確実となると、地道な情報発信、駐車場増設に、駐車場の値上げや駐禁化を組み合わせて需要をコントロールするしかなさそうです。
富士山同様、人気観光地化するならそのための整備費用捻出のために何らかの費用負担を観光客に求める必要があり、行政にとっても利用者にとっても地元にとっても悩ましいところです。