王滝村、解決金を支払って和解

 御嶽スキー場を巡って、前の指定管理者から指定管理継続を求めて提訴されていた王滝村ですが、解決金として2000万円を支払うことで和解が成立する見通し、と3月24日に信濃毎日新聞が報じています。

 王滝村は2018年に「アンカー」と10年間の指定管理者契約を締結するも、2021年に「基本協定に基づく業務報告書の提出遅れ」を理由に契約を解除しました。

 アンカーは指定管理者取り消し理由に納得が行かず、リフトの運行関連に必要な書類への署名・押印を拒否。村がアンカーに2021年度の指定管理料としてそれまでの半額の2500万円を支払うことで書類への署名・捺印には応じることで2021/22シーズンは別の指定管理者のもとで営業されましたが、アンカーは王滝村を相手取って、指定管理継続を求めて提訴しました。

 提訴に対して地裁から和解勧告がされ、既に受け取っている2500万円にプラス2000万円でアンカーが同意したということです。計4500万円で、もともとの年間の指定管理料5000万円の1割引きです。

 2021年に村内から「地域経済の活性化と地域雇用の確保のために指定管理料が使われていない」という指摘が相次ぎ、指定管理料の村内還元を条件に加えて指定をいったん白紙に戻した、という報道もあり、地元の業者や雇用を使わないことに業を煮やした王滝村が難癖をつけて一方的に契約解除したように伺えましたが、そのとおりだったようです。

 村がアンカーに業務改善を求めてから指定を取り消すまで半年余りだったことに対して「時間をかけて話し合うべきだったが、拙速だった。財政が苦しい中、余分な支出になり村民に申し訳ない」と村長は述べていますが、最初の契約に地元還元が入っていなかったのなら、そして地元を使うよりも外部を使った方が安いのであれば、時間をかけて話し合ったところで状況は変わらなかったのではないでしょうか。

 明確な契約内容違反がないと契約解除できない内容だったのでしょうが、足元を見られたというより、村側がそういった事態をまったく想定していなかったように思われます。緩すぎます。しかし泥沼化せずに1年ちょっとで、約1年分の指定管理料で解決できたのならよかったと思います。

 御嶽と言えば、今シーズンは11年ぶりにチャンピオンゲレンデが復活しましたが、雪不足でわずかな期間しかオープンできませんでした。その間にどれくらいの利用者があり、どのようなゲレンデ状況で、シャトルバス輸送の待ち時間がどうだったのかなどの情報がなく分からないのですが、ゲレンデ内プチツリーラン(旧第5ペアリフト跡)とあわせて、来シーズンも継続してもらいたいものと思います。

 というか、そのチャンピオンゲレンデや、南斜面でもっと低いところまであった高原エリアが普通に営業できていたというのは、今となってはもはや信じがたいです。

 もう10年以上前から客数5万人以下ですが、最盛期は70万人だったか80万人だったか、今なら志賀高原と首位争いするような客数だったというので、それだけ広くても大混雑だったことでしょう。時代が違うとはまさにこのことでしょうか。