チャオ御岳、どうなってる?

 復活はもう諦めているが、どうなっているかは気になるチャオ御岳。

 例年、12月から3月にかけての高山市議会の産業建設委員会や予算決算特別委員会などで議題になって議事録に載ることが多いのですが、今年2月22日の議事録までには「チャオ」というワードは登場していません。

 なのでここ1年の動きが分かりませんが、改めてこれまでの状況をまとめてみました。

 昨年2月の産業建設委員会での報告によると、

2021/1/29:飛騨森林都市企画から債権者への未払い金についての説明文書を2月中に発送するとの連絡があったが、発送されず。

2021/3/1:飛騨森林都市企画社長と面談し、債権者に対する説明会の開催を要求

2021/3/10:飛騨森林都市企画から、債権者に対する説明会の開催は見送り、3/20までに債権者に対して説明文書を送付するとの連絡があったが、期日までに説明文書送付されず。社長に連絡が取れないため、3/22に筆頭株主の優福屋の東京事務所に電話催促、3/29にも社長に連絡を入れたが連絡は取れず、4月以降も同様の対応を週1回程度行うも社長に連絡取れず、現在(2022/2/18)に至る。

とのことで、飛騨森林都市企画及び優福屋が「やる」と言ってその場をやり過ごしては全くやらずに後は居留守を使ってひたすら逃げる、を繰り返している様子がよく伺えます。

 債権者への対応を中心にした高山市からの働きかけとは別に、土地貸借に関しては中部森林管理局からの働きかけがされています。

 現在の土地貸借契約は2022年3月末までで、現在は㈱御嶽名義になっているチャオ御岳の建物名義を飛騨森林都市企画名義にすることを、それ以降の使用許可継続の条件として中部森林管理局が求めています。これに関して、

2021/11/4:中部森林管理局による飛騨森林都市企画に対する3回目の聴聞会開催(目的はチャオ御岳建物の所有権移転)。飛騨森林都市企画から無償で所有権を譲渡したいという発言があり、飛騨森林都市企画としては、何としても経営を再開させたいという意思が示された。

2021/12/20:飛騨森林管理署長から11/4の聴聞会をもって聴聞を終了する通知が発出された。

2022/1/28:飛騨森林都市企画から飛騨森林管理署に対して、2022/4/1以降の国有林野使用許可の更新申請が提出され、飛騨森林管理署が受領。

2022/3月:飛騨森林管理署から飛騨森林都市企画に更新は行わない旨の通知が行われた。

 ここでも飛騨森林都市企画は「する」と口にはするが実際にはせず、土地使用許可の更新申請はしたが名義変更はしなかったので、更新の前提条件を満たしていないため当然のことながら却下されています。

 建物の名義変更にあたっては、2021年から2022年にかけてその建物が競売にかけられていたことも関係してくると思われますが、これの経緯に関しても委員会で報告されています。その内容は、

2020/3/31、優福屋の赤池氏が代表取締役である別の会社が、ほかの会社から資金を借り入れた際に、その担保として㈱御岳所有のチャオ御岳マウントリゾートのロッジや従業員寮などに抵当権が設定された。その後、赤池氏の債務不履行により、債務者の会社から競売が申立てられ、2021/12/8に競売が公示された。2022/1/20に開札されるも2/18現在応札無し。

というもので、チャオ御岳の運営会社である飛騨森林都市企画とは関係ないところで競売になっていました。

 高山の地元業者への未払いで高山市から詰められている最中に、別会社の借金の抵当に入れるとは、何とかしようとする気があるとは思えません。

 高山の地元業者への未払いについては、根負けし(諦め)て債権放棄した業者もあるということで、民間当事者間の問題とは言え、少数株主とはいえ飛騨森林都市企画の株主である高山市としては、2018/19シーズンに営業されなかった以降、昨年春時点でも丸3年もの間、逃げ続ける相手にただ呼びかけるしかしなかったというのは、本当にそれしかできなかったのかと思わされます。

 国有林野使用許可が非更新の場合、飛騨森林都市企画による経営再開は極めて困難になるほか、スキー場敷地の森林への原状回復と返地が整うまでの期間中、国に対して損害賠償の支払いが飛騨森林都市企画に対して求められることになると言うことです。

 口では支払うつもりがあると言う民間事業者に対して国としてもそうそう強硬手段を取ることはないと思われます。

 優福屋が本当のところどうしたいのか分からず、既に何年も膠着している以上、この先も何年かはこのままなのかもしれません。