ひだ舟山スノーリゾート アルコピア、廃止から一転して営業継続?

 岐阜県高山市にある「ひだ舟山スノーリゾート アルコピア」は2022/23シーズンをもって廃止となりましたが、これを継続させようというクラウドファンディングがありました。地元で13年ロッジを運営している人の主催で、3/11に目標金額200万円で開始し、4月末までの募集期間に294人から451万円を集めていました。

 募集ページには「突然市より閉鎖すると告げられました」とありますが、2020/3/14の岐阜新聞で「岐阜県高山市は13日、市内の市営スキー場2カ所のいずれかを廃止する考えを示した。」(2か所とはモンデウスとアルコピア)と報じられ、2022/4/14には「高山市がアルコピアの廃止方針を固めた」と報じられて4/20にその廃止方針を発表しており、突然ではないと思います。地元ならなおさら、決定発表前に話があったのではないでしょうか。

 このクラファンの主催者は「どうにかならないかと何度も何度も市に掛け合い、スキー場を買い取り経営を継続させてもらえる形に進めることが出来ました」として

「今後私がアルコピアスキー場の経営を引き継いでいく中で、冬のスキーだけでなく、夏場はキャンプ場や音楽のライブイベントをし、またフォレストアドベンチャー(アスレチック)なども建設していきたいと思っています。アルコピアスキー場をテーマパークのような、みんなが楽しめる場所にしていき、オールシーズン利用できる施設を作っていきたいと思っています。」

と夢を語られていますが、コロナ前でも2015~2018年度の4年間で9千万円の赤字であり、当座の費用として数百万円の資金を募ったところで、市の許可があれば1年やってみることは可能かもしれませんが、継続は極めて困難なのではないかと思われます。

 これについて、高山市から正式な発表はなさそうです。

 昨年12月の市議会定例会で、廃止後についての議員からの質問に対して市側は

「施設の撤去に3年を見込んでおり、借地部分については令和5年4月からの3年間の土地貸借契約の延長を交渉している」

と回答されており、この時点ではまだ撤去予定です。これに続けての

「アルコピアを年間を通じた民間のレジャー施設として活用し、地域の活性化を図りたいという強い思いを持ち、準備を進めている地元の若い事業者がいる。会社を立ち上げて、森林空間を活用したアクティビティ施設も設立し、人気のヒマワリ園の開催や、伝統ある全日本ラリー選手権なども継続して受け入れ、施設を運営したいと考えられている。こうした意欲ある取組に対して、市としてスピーディーに策を講じるべきではないか」

という質問に対しても

「地域振興策の一つとして考えさせていただく」

と煮え切らない回答でした。この議員は早急な検討(イメージとしてはおそらくシーズン終了までの決定)と、施設の無償譲渡の検討も要望していますが、その後の情報がありません。

 その後3月までの間に高山市との話が進展して実際に会社を立ちあげ、高山市所有の施設を買い取る(譲り受ける)ことになってのクラウドファンディングなのだと思いますが、市の発表も報道も見つけられませんでした。

 このスキー場はもともと高山市の所有であり、継続を支持する地元利害関係者も多いことから、継続のハードルはまだ低い方だとは思われます。クラウドファンディングは目標金額未達でも募集者の手に渡るもので、そこに400万円以上集まっているので、チャオ御岳とは違って事業継続の見込みが極めて高い(と出資者は考えて出資した)ということだと思いますが、信頼できる情報がほしいところです。