岩岳の近未来像予想(妄想)

 日本スキー場開発㈱が、岩岳山麓エリアにある敷地の一部を、不動産(ホテル)開発を進めるために、有力な不動産ディベロッパー(国内法人だが現段階では非開示)に対して土地の譲渡に関する優先交渉権を設定したとする発表をしています。物件引渡日は早くとも2024年と想定しているとのことです。

 スキー場に隣接する土地を早い時期に買い取っていて、再開発時にホテル誘致を検討しているというのは、ここ数年、一時期のマックアース社長に代わって「スキー場再生人」としてメディア露出の増えている岩岳リゾート社長のコラムだったかインタビュー記事だったかにもありましたが、貸地にして誘致するのかと何とはなしに思っていたので、土地売却というのは少し意外でした。ディベロッパーはその方がやりやすそうですが、岩岳リゾートとしても資産はなるべく持たずに運営に徹するのが良いということなのかもしれません。

 売却するのは「敷地面積:約 40,000 ㎡の一部(岩岳リゾートが自ら建設するスキーセンター等の予定地を含む)」ということですが、現在のゴンドラ山麓駅やその前のロータリーから、南側の長いペアリフト前のレストハウスやその奥の第2駐車場までで、2万m2ちょっとぐらいでしょうか。メインの駐車場も同じくらいの感じです。

 早い時期に買い取った隣接の土地というのはおそらく、来年12月完成予定の新ゴンドラ山麓駅ができるであろう、現在のゴンドラ山麓駅の北側、旧パラダイストリプルリフト乗り場付近一帯の平坦地ではないかと思われ、ここも同じく2万m2ぐらいの感じです。

 合計6万m2以上になりますが、これらのうちの約4万m2を所有していて(メイン駐車場が岩岳リゾートの所有ではない?)、その一部を売却するということのようです。

 岩岳では現在、チケットセンターや更衣室、ロッカー、レンタルショップ売店、レストラン、スクールカウンターなどのベースセンター機能が複数の建物に点在していて、これらをまとめた新ベースセンターを新ゴンドラ建設後に整備する予定もあり、これは新ゴンドラ山麓駅付近に作られるのかと思われます。

 そうなると、買い取ったのであろう土地を売ってそこにホテルが建つのではなく、買った土地に自社施設を集約して以前からの土地をホテル用に売る、ということかと思われます。買った土地に新ゴンドラ&新ベースセンター建設→現在のゴンドラから第2駐車場にかけてを更地にして売却→ゲレンデ直結のホテルが建設される、でしょうか。

 広い土地があってホテルもスキー場が所有・運営するなら、ベースセンターもゴンドラ山麓駅もホテルも一体化するのがいかにもリゾートっぽくってよさそうですが、それは投資額的にもリスク的にも難しそうです。現在の土地で運営しながら新たに作って機能を移してとなると、上記の段取りがよさそうです。

 買った土地に新ゴンドラ山麓駅と新ベースセンターだけで2万m2ということはなく、そこには大型バスの乗降・待機場もできるでしょうが、一般客向けの駐車場はできても有料かプレミア客向けになりそうで、メイン駐車場からは今よりも少し遠くなりそうです。

 資金が潤沢なら、新ゴンドラ完成後すぐ、2025年のグリーンシーズンのうちに新ベースセンター建設に着工し、完成までいけるでしょうか。建設と並行して既存施設の取り壊しを進めれば、2026年グリーンシーズン時にはホテル建設の着工も可能かもしれません。であれば最速で2028年の開業でしょうか(そんなにトントンとは進まないでしょうが)。

 グリーンシーズンの客の方が多くなったとはいえ、冬以上に日帰り客比率が高いのではないかと思われます。「世界水準のオールシーズンマウンテンリゾート」を目指すとしていますが、夏の滞在客、特にホテルに長期滞在するとなると外国人客や比較的富裕な層ということになり、夏にそういった客層の呼び込みはニセコでも多くありませんし、白馬エリアとしてもまだまだこれからかと思われます。

 岩岳のホテルというのも、ディベロッパーとしては投資リスクを考えると、通年営業の大型ホテルよりも、ニセコで建設されているものの多くがそうであるように、貸出利用を想定した分譲コンドミニアムになるのかもしれません。(ディベロッパーとしては分譲販売した時点で投資回収できる)

 ホテルは個人的には関係しませんし、何ならベースセンターだって個人的には今のままでもまったく構わないのですが、岩岳リゾートの経営が順調に運び、リフトがこれ以上減ることなく順次更新されていくことを願うばかりです。