白馬乗鞍温泉スキー場、拡張

 白馬乗鞍温泉スキー場は、上部方向に新たに全長約1200mの「第11ペアリフト」を新設してコースを拡張するとのことです。5/20に起工式を行い、来シーズンからの営業予定です。「かねてから計画していたリフト新設」らしいですが、初耳でした。

 現在の第5高速ペアリフトの降り場横に乗り場を設け、標高1598m地点までを結びます。第1ペアリフト乗り場までの標高差は898m(ハクバ)になるということですが、第1ペアリフト乗り場付近は標高850mあたりのはずなので計算が合いません。750mくらいのはずです。新リフトは、標高1140~1598mの高低差約460mだと思われます。

 長さ1200m・高低差460mというのは、八方の国際第1ペアリフトが長さ1334m・高低差398mなので、かなりのものです。平湯温泉スキー場の第2ペアリフト(長さ1180m・高低差462m)とほぼ同じで、高速でないリフトとしては最大級の高低差となります。

 八方の国際第1ペアリフトよりは短いとはいえ、高速でないリフトで1200mの長さはトップ5クラスであり、乗車時間は10分を超えるので、この標高で風が吹くと寒さがかなり厳しそうですが、急角度なので乗車時間と滑りごたえのバランスは悪くなさそうです。

 地形図を見ると確かに、第5高速降り場からほぼその延長上約1.1㎞先に標高1598mをピークとした平らなスペースがあります。水平距離1.1㎞で高低差460mなら傾斜長はほぼ1200mになります。南東から北西方向に向かって登るリフトの北東(上りの右手)側は落ち込んでいて南西(上りの左手)側がコースとなり、現在の第5高速降りてすぐのラビットコースと同等以上のコース幅が取れそうです。

 滑り出しは15度程度の中斜面ですがどんどんと急になっていき、終盤には40度近い急斜面もありそうです。となると全面非圧雪コースでしょうか。あるいは、第3高速ペア降り場に出るコースも作れそうで、こちらでも途中30度ほどの急斜面がありそうですが、こちらかなら何とか山頂部まで圧雪車が上がれるかもしれません。であれば、リフト沿いにまっすぐ第5高速に降りるコースの終盤の急斜面のみ非圧雪となりそうです。

 栂池のゴンドラ山頂駅が標高1575m付近であり、新たにできるコースの標高1600~1140mというのは、栂池でいうとゴンドラ降り場からハンの木第1クワッド降り場付近までの高さに相当します。五竜でいうとアルプス第3リフト降り場からチャンピオンダイナミックを終えてチャンピオンエキスパートに少し入ったあたり、Hakuba47だとLineE降り場からルート1中腹の麓に降りるかLineCに降りるかの分岐のあたり、八方では兎平ペア降り場のちょっと上からスカイラインペア乗り場のちょっと下やパノラマのちょっと下やセントラルペア降り場のちょっと下やリーゼンスラロームの中間あたりまでに相当します。

 「バックカントリーやグリーンシーズンの観光スポットとしても期待のリフト」ともあり、リフト降り場付近は結構な広さで平らになっているようなので、ちょっとした観光用のテラスはもちろん、レストラン併設の大きな施設を建てることだってできそうです(そうするなら麓からゴンドラを作るでしょうけれど)。

 白馬乗鞍の最大標高差はこれまで、第7リフト・第9リフト・第10リフトを乗り継いでスカイビューゲレンデから滑る500m弱で、メインゲレンデは300m前後だったのが、数字上の標高差は約800m(800~1598m)、735mは距離約2.4㎞で一直線に滑り降りれるようになります。「横長の中規模ゲレンデ」に大きく「タテ」が加わってイメージが変わりそうで、楽しみです。