スキー未来会議 #1 -1

 皆川賢太郎氏が2016年10月に第1回を開催し、2017年11月の第3回まで開催されている「スキー未来会議」(第3回終了時に「第4回は来年5月に開催予定」とされていたのが、その後なんの告知もなく開かれなかったのが気になる)。

 皆川氏によるとその目的は、

・2000年以降停滞しているスキーにかかわる産業を、新たな創造と枠組みで産業のシステム再編を図り、世界に対し『雪国JAPAN』の提言を目指していきたい。

・スキーをする人・見る人・支える人という切り口で、今までこの産業を支えられてきた方、これからチャンスがあればと思って頂ける方々をお招きし、日本のカルチャーになる新スキー産業をつくるプロジェクトです。

  「新たな創造と枠組みで産業のシステム再編を図り」って、いかにもな決まり文句で具体性に欠けるとか、そのスポーツをしないけど見る人がたくさんいることってメジャー競技の必要条件かもしれないけど、「スキーを(しないけど)見る人」っていないよなあ、とかは気になる。

 でも、「新スキー産業をつくる」というのは、後にインタビューで、”(スキーをつかさどる団体でありながら産業振興は民間任せになっていた慣習を改め)「SAJがすべてのプラットフォームにならないと」”と言っていることに通ずる活動と言えそう。

 また、「日本のカルチャーになる」という言葉は、「金を積んでワールドカップや世界選手権を呼んでも、国内で文化も創っていないのに好きな人しか見ない」と言っていることに通じる。

 日本でもスノースポーツの競技が産業として成立するようにしたい。しかし現在のヨーロッパの姿を目指すのではなく、日本独自の形(=文化)をつくっていく。その日本独自の形を模索し、作りこんでいく場として、「スキー未来会議」を立ち上げたということだろう。

 その第1回では、第1部「これからのスキーリゾートについて語ろう」で、マックアースの一ノ本社長、「雪マジ!19」を立ち上げた元じゃらんの加藤史子氏、観光庁の蔵持氏がパネリストとして登壇。

 第2部「エンターテイメントとしてのスキーの未来を語ろう」では、マラソン大会のエントリーなどを行うサイトを運営しているアールビーズ取締役の金城氏、NHKスポーツ番組部チーフ・プロデューサーの村松佐和子氏が登壇し、『ランニングからブームの現状を参考に考えるスキー』、『スキーとテレビの今後』について議論された。

 ここでのパネリスト諸氏の発言に対して思うところを書いていきたい。(続く)