皆川氏の発言に思う -1

 皆川賢太郎氏、今年になってからはウェブメディアでの露出が減っている気がする。スキー未来会議のフェイスブック更新もすっかり止まっているし。

 と思って皆川氏自身のフェイスブックを見たら、5/24に「マネージメント事務所を辞めた事で『スキー未来会議』は終わりを迎えましたが」との書き込みが。

 「一定の納得感と勉強にはなりましたが、本当はもっと大きな意味合いを持たせたいと思っていました。業界に嘘のない純度の高い情報を提供出来る事や場をいちウィンター業界人として求めていました」「今は逆に理想に近づけるために進んでいます」とのこと。それが今年の「SNOW AWARD &CONVENTION 2019」になっていて、セミナーのテーマや登壇者は「スキー未来会議」をそのまま引き継いでいる感じ。

 フェイスブックでも熱い思い語りを読めるが、それは又の機会にして、昨年末の記事の紹介(引用)と考察を。

 NumberWebの「NSBC補講Ⅳ 皆川賢太郎のスキー革命論」の2018/11/29「一年じゅうスキーができる国をつくる。皆川賢太郎が考える屋内施設の価値」より。

 「スキー産業復活のカギの1つとなるのが通年化です。」「既存のインドア施設の規模を考えると、競技者にとって画期的な強化になるとは言えませんが、その役割は決して小さいとは言い難いものです。」「現在日本にはインドアでスキー、スノーボードを楽しめる施設はいくつか存在しますが、いずれも規模の小さいものです。」

 産業活性化のアイデアとして、通年営業の屋内ゲレンデ構想の話は、スキー未来会議の頃から話されている。ここでの「規模の小さいもの」とはスノーヴァのことだろう。通年営業の屋内ゲレンデは、2000年ごろのピーク時にはスノーヴァだけで9か所、全部で14か所ほどの施設があったと思うが、今ではスノーヴァ3か所だけか。

 しかしスノーヴァの大きさでは、初心者のコソ練やグラトリの遊び場にはなっても、競技者強化の役に立たないだろう。

 

 「インドア施設といえば、1993年から2002年まで千葉県船橋市で営業していたザウスを思い出される方も多いと思います。長さ500m、幅100mのゲレンデでしたが、仮に3000人が同じ時間帯に入館すると、人が密集しすぎてほとんど滑ることができませんでした。」

 ザウスはピーク時で年100万人、最後の方で70万人の集客だったよう。ピーク時は平均週2万人近い計算になるので、繁忙期の週末などは5000人からの来客数であったと推測されるが、当初は基本料金で2時間まで、その後も午前と午後でスキーとスノボに分けるなどしていたというので、同じ時間帯に3000人というのは最混雑時の数字かと考えられる。

 参考までに、奥伊吹スキー場が2019/2/10にこれまでの最多入場者数を更新したということで、その数字が7350人。数年前、2月の週末に昼から行ったことがあるが、まず駐車場に入るのに列をなして待ち、ようやく入ってゲレンデに向かうと、リフト待ち15分は当たり前で、ゲレンデ上もかなりの人口密度だった。

 リフトの数もコース数もそれなりにあるスキー場で、その時が5000人だったのか6000人だったのかは分からないがおそらくそれくらいの客数であの状態だったことを考えると、ザウスの3000人がいかに不快かの想像はつく。(スキーバブル期の人気スキー場はどこもそれ以上だったのだが)

 (続く)