インタビュー記事での皆川賢太郎氏の発言まとめ。
次はマーケティング担当常務理事として、SAJの収益化関連について。
「支出ばかり意識しても考え方が狭くなる。それなら全体の収益を増やして使えるようにしたらいい」
「スキー連盟には国などからもらえる強化費とは別に自分で生み出す力もしっかりある」
「SAJには競技とは別に教育をつかさどる資格制度があります。そこから生まれる原資をしっかり供給すれば国の助成金に依存しなくても独立自尊できる事が大切。」
「スキー検定の1級や準指導員が取れる、どういう滑りをするかっていう教育プログラムを持っているので、外国にもそれらを輸出したい。そして、外国人が習いに来るような仕組みに変えたいです。」
「指導員の育成策を立てたり、海外から迎え入れるためのビザ緩和を国に働きかけたりするなど、SAJがやるべきことは多い」
「(スキーをつかさどる団体でありながら産業振興は民間任せになっていた慣習を改め)SAJがすべてのプラットフォームにならないと」
「好きな選手や競技に単発でスポンサーがつくのではなく、これからは束になってかからないと」
SAJの収益拡大について皆川氏が発言しているのは、教育本部の拡充・教育ノウハウの輸出についてであって、競技の興行化による収益化については、実は、皆川氏自身の言葉としては記事にされていない。
確かに、教育本部から得られる収入は貴重。だが国内の日本人相手ではもう飽和状態。インバウンド対応で増やすか、海外で稼ぐかしないと増収は難しいだろう。
特にインバウンド対応は喫緊の課題かもしれない。ニセコでも白馬でも、外国人向けのレッスンでSAJの存在感はほとんどない。外国語を話せるスタッフがほとんどいないからだろう。
SAJでも、初心者向けには、技術の上達よりも楽しむことを主眼にレッスンされていることと思うが、八方で外国人が外国人にレッスンしている光景を見ると、いかにも自由に楽しんでいるように伺えて、SAJだとそこがまだ弱いのかなと思ったりもする。
ノウハウの輸出とは、中国に海外支部をつくって、中国のスノーリゾートでスクールを運営しようとする団体に対して指導方法を伝授するとか、スクールをフランチャイズ展開してライセンス料を得るとかだろうか。
検定制度そのものを輸出できれば、なおよさそう。科挙の国、日本以上に学歴偏重の国である中国なら、広く受け入れらるかもしれない。(続く)