スキー未来会議 #3 -3

(前回から続く)

 リフト券のチケットレス化については、個人的には、skilineのように、いつ・どのリフトに乗ったかのログを提供してもらえると嬉しいし、システム的にはすぐできるはず(というか事業者側はそれが導入目的のはず)なのだが、志賀高原がskilineをやめたのは結構な利用料が掛かるからだと思われる。

 ウイングヒルズ白鳥が専用アプリで、リフト乗車に応じてマイルを付与してスキー場内で使える金券に交換しているように、リフトの乗車履歴くらい自前で提供することも難しくないはず。(ウイングのアプリについては、せめて日毎の滑走標高差集計くらいはしてほしいのだが)

 志賀高原がskilineをやめたのも、それだけの需要がないと言ってしまえばそれまでだが、リフト券にQRコードを入れて専用アプリを通じてスマホで読み込ませるだけで使えるようにするなど利便性を高めれば、面白がる人はもうちょっといると思うのだが、そうでもないのだろうか。

 課題の3つ目、スキー産業と周辺産業のつながりの希薄さについては、連携を深めるために、全体の情報を集約・管理するプラットフォームをつくる必要性が高まっていると指摘している。

 具体的にはどういうものなのだろう。スキー場(索道会社)、スクール、飲食、宿泊、交通機関、用具メーカー、レンタル、旅行業者と関連産業は多岐にわたる。どういった情報を集約・管理して、それをどう活用するのか。

  SAJがその中心となって旗を振るべき、という考えはいいと思うが、そんなしたことないこと、既存のスタッフですぐにできるものではないだろう。連携を深めるためのプラットフォームを作るにも、関連産業の横の連携が必要。鶏が先か卵が先かの話になるが、そのための人脈づくりも、この「スキー未来会議」の目的なのだろう。

 課題指摘とは別に、2016年2月の「アルペンワールドカップ苗場」でのIT活用事例の紹介も、皆川氏はしている。大会やレースに関する情報や選手の詳細情報などをインターネットを通じて観客に提供し、お客さんの反応も良かったということだが、ネットでのライブ情報配信などはどんどん当たり前になっていくのだろう。

 2020年に再び苗場に誘致しようとしているが、その時はどういうことをするのか。ラグビーW杯と東京オリンピックの間ということになるが、5G回線を使ったサービスの実験場にもなるだろう。というか、アルペン以外のモーグルやノルディックのワールドカップでも全日本選手権でも、そういうことはどんどんやっていかないと。(続く)