電子チケット

 リフト券の電子チケット販売が増えてきている。

 JTBで、スキー場のカウンターでスマホ画面をみせてリフト券に引き換えるタイプのものの取扱いが増えている。早割だけでなく、シーズン中も販売して前日まで購入できるものや、当日購入で使えるものもある。

 早割券の電子化という側面で考えると、紙を送る手間も送料もかからないのは、売り手・買い手双方に大きなメリット。

 当日使える割引券の側面で考えると、かつてはチラシの一角を切り取って、住所・氏名を書いて窓口で渡すと食事とのセット券が何百円引きかで買えるというものだった。今も健在だが、参加スキー場は減少傾向にある。利用者数ってどう推移しているのだろう。

 それが、スキー場のホームページから印刷して使うというのが現れ、ホームページの割引画面を見せるというのが現れ、会員登録して画面を見せるとか、アプリをインストールして画面を見せるとかも現れたが、要はチラシが画面表示になっただけ。でも売り手にとっては顧客情報の活用はずっとしやすいし、買い手にとってもチラシを常備する手間が(大した手間ではないとはいえ)省ける。

 JTBの電子チケットも同様で、だったらスキー場としては、当日使える割引はホームページの画面表示にすればJTBに手数料払わなくて済むだろうにと思う。でもまあチラシ割引にしたってスキー場の広告費で作られているのだろうから、JTBへの広告費(しかも成功報酬型)と思えば安いものなのか。

 JTBのは今は早割がメインだけど、前日や当日販売が増えてくれば、割引チラシは電子チケットに取って代わられそう。最初から宣伝チラシのつもりで金出してるのだとしても、割引券の利用者がいなくなれば広告の効果が分からなくなるから。あるいはそれでも、共同宣伝チラシとして小規模スキー場を中心に根強く生き残り続けるだろうか。

 前日購入できるというのは、アルペン・デポで扱っているリフト券でも一部あったが、店に行かないといけないのがスマホで済むのは大きい。前日や当日の割引は300~600円と食事パック券と同等程度ところが多いが、早割並みのところもある。スキー場側も試行錯誤しているのだろう。

 リフト券の電子化(IC化)はずいぶん前からされているし、リフト券販売の電子化もここにきてようやく増えつつある。だが以前も書いたが、リフト券IC化のメリットは限定的であり、どこもかしこもが導入するものではないと思う。

 それに比べると、早割や前売りの引換券の電子化の方が普及のハードルは低そう。使用済み確認をどうするかがネックかもしれないが、そもそもがチラシの代わりなのだったら、そこはシビアでなくてよさそう。(JTBでは電子スタンプを押すとなっているが、リフト券の数百円割引なら画面提示だけかもしれない)

 今シーズン、5%還元のためにQRコードなどのキャッシュレス決済を導入したスキー場がどれくらいあるのか分からないが、QRコードリーダーがあれば独自の前売り割引なども柔軟に設定できそうだが、どうだろう。