ムーンライトながら、終了

 「ムーンライトながら」の運転終了が発表された。これで夜行快速はすべて姿を消すことになるよう。

 特に鉄道ファンということではないが、その昔、ムーンライトなどというシャレた名前がつく前、「大垣夜行」と呼ばれ、垂直背もたれで自由席のただの快速だった時代に利用したことがある身としては、感慨深いものがある。

 定期運行されなくなって臨時列車になったのもずいぶん前で、その運行期間も徐々に18きっぷシーズン中心に縮小され、去年の春を最後にコロナ禍で運行されなくなっていた。車両の老朽化もあって長くはないと見られていたが、コロナが寿命を早めるトドメを刺した格好になった。

 ムーンライトながらの名前になったのは1996年とのこと。指定席制になって、垂直背もたれでない特急系車両になったのもこの時らしい。

 今思うと、あんな垂直背もたれでよく眠れたものだと思う。若いってすごい。

 2002年夏、18きっぷで北海道に行くことになりムーンライトえちごに乗ったのだが、車両が垂直背もたれだと思っていたので、実際にはリクライニング付きの古いとはいえ特急系車両だったことに感動した記憶がある。

 この時は、その後1日かけて函館まで行き、夜行快速「ミッドナイト」で3日目の朝に札幌に着く計画だったが、大雨の影響で青森でいくらか足止めをくらい、ミッドナイトには何とか間に合ったがすし詰め状態。

 発車間際に乗り込み、自分の指定席にしれっと座っている人にどいてもらって、通路や連結部分の人は一晩立ちっぱなしなのかと思う間もなく疲れていたので眠りについたと記憶している。あれ?2晩風呂入らずか。30は過ぎていたが、まだまだ若かったな。

 調べてみると、ムーンライトえちごは2014年春の運行が最後で、ミッドナイトに至っては2002年冬の運行が最後と、終了間際の乗車だった。

 思えば、18きっぷの利用もこの時が最後になっている。18きっぷは安さだけでなく、夜行列車という特別感で選んでいたのかもしれない。

 今も健在だったとしても、年齢的・体力的に利用するかは微妙なのだが、青春の一頁が閉じる的なノスタルジィを禁じ得ないのも、それだけの年輪を重ねたということか。