チャオ御岳は風前の灯火なのか生まれ変わる前の静寂なのか分からないが、開田マイアはGWまでの営業予定を打ち出してきた。
これまでは大体4月上旬終了予定で、雪があれば1週間延長、シーズンによっては延長しても余力がある時もあった。日当たり的にはおんたけ2240より微妙にマシなので、昨シーズン、2240がGWまで営業できたことからすると、マイアもできなくはないはず。というか、これまでの残雪状況から「できる」と判断してのGW営業予定告知だろう。
しかし、2240にしても、毎年GW営業予定を掲げても、実際にはなかなかたどり着けないでいる。マイアだって無策で運任せでは「予定すれど営業できず」が多くなるだろう。
手っ取り早く確実性の高いのは、降雪機を増設すること、春以降も夜間氷点下なら稼働させて降らせまくることだが、木曽町の報告からは、運営会社にそんな財政的余裕はなく、リスクを負った投資決断ができそうには思えない。内陸・高標高で気温は低いが積雪の少ない地域なので、降雪機のメリットは大きいはずだが。
クワッドの下り乗車を使って上だけでも営業するならGW営業の可能性が高まるが、きそふくしまでその案が出たときは、ファミリー客が多く急勾配リフトの下り乗車は危険と却下されていた。マイアの下のクワッドは勾配が緩いのでそういった心配はなさそうだが、どうだろう。
あとはもう、気合の雪寄せだが、そもそも積雪が少ないのであまり期待できないか。
標高1600mの高鷲がGWまでできる年があるのは、積雪量が多い上に降雪機をフル稼働させ、残った雪をかき集めてコースを作るから。高鷲で出来て、高鷲より高標高・低温のマイアで出来ないとしたら、積雪量と降雪機の問題。降雪機に投資できるかは、結局、アクセスの悪い御嶽周りの集客力の問題か。
しかしなぜここにきてのGW営業予定なのだろう。できるのにしなかったのをすることにしたのなら、なぜすることにしたのか。
ここはもともと旧・開田村の第3セクターによる運営で始まり、今は形の上では民間企業による運営だが、実質は木曽町からの税金投入を受けた指定管理状態。しかし当然ながら税金投入による維持は問題視されていて、いつまでも税金に頼っていられない。
地元は町営(木曽町所有)のきそふくしまスキー場の方がアクセスもいいし、愛着があるようだが、標高と日当たりの関係で近年は営業期間が短く、中上級者の固定ファンがいて営業期間の安定しているマイアの方が収益的には安定しているよう。
マイアの運営会社は、きそふくしまスキー場と御岳ロープウェイもあわせて運営(この3つの運営会社が合併して現在の会社になった)していたはずだが、きそふくしまのウェブサイトをみると別の会社名になっていたので、分離したのかもしれない。マイアときそふくで運営を分けて自立を促し、それをうけてマイア側はGW営業を打ち出したということか。
とはいえ、4月中旬以降の営業で黒字の見通しはあるのだろうか。そうならもっと早くにやっているべきだろう。最近になって利益が見込めるようになった?春の運営コストが下がったとは考えにくく、春の集客が増えている方がまだあるかもしれないが、そのような実感はない。昨シーズンはチャオがやっていなかったから、マイアとおんたけ2240の客は例年より多かったかもしれないが、4/7のマイアも4/21のおんたけも例年とそう変わらなかったと思う。
GWまでやろうという意気込みはうれしいが、やるのなら無策のまま「できたらする」ではなく、カネはなくとも「何とかする」気合を見せてほしい。雪寄せ(2本あるコースの1本をクローズしての雪出し)もだが、平日休みにしての延命も必要かもしれない。
それとは別に、GWまで営業予定となると、営業予定最終週恒例の「来シーズン招待券プレゼント」はどうなるのだろう。めでたくGW営業のあかつきにはGW中の来場者にプレゼントするのか、それまでに終了ならプレゼントはないのか。あるいはこのサービスはもうやらないのか。オープン初週の招待券プレゼントが継続されるのかとあわせて、気になる。