18/19シーズンを振り返る

 18/19シーズンは、降雪が遅くオープンが遅れたうえに、全体を通して雪の少ないシーズンだった。2月下旬から気温が高くなったが4月上旬に冷え込み、2月下旬から4月上旬までずっと3月下旬並みの気温だった(奥美濃エリア)。

 日本海側のシーズンを通じての降雪量平年比は、

 ・北日本:60%(06/07の63%に次いで過去2番目に少ない)

 ・東日本:25%(06/07の17%に次いで過去2番目に少ない)

 ・西日本:7%(06/07の24%を大幅に更新して過去最低)

と、北日本では過去2番目に少ないといっても6割程度とそれなりに降ったが、ただでさえ雪の少ない西日本で平年比7%というのは壊滅的な少なさ。

 2月下旬から暖かくなったことで、兵庫では2月で営業終了となったところがいくつかあったし、岐阜の揖斐高原スキー場も営業できたのは3日くらいしかなかったとか何とか。もとから人工雪ありきのところも気温が下がらないと苦しいが、天然雪頼りで昔はそれでも営業できたローカルゲレンデは、近年の暖冬少雪では営業できるかどうかも分からない状況になっている。

 白馬では12月13日夜にドカ雪があり、八方や五竜は12月15日(土)にオープン。12月28日のドカ雪で八方はほぼほぼ滑れるようになり、年末年始の冷え込みで1月2日には五竜もほぼ全面可に、八方はリーゼングラート(最上部)のオープンが1月12日となった。

 年末年始の降雪で、全面オープンは雪不足の激しかった15/16シーズンや16/17シーズンよりは早かったが、八方の12月15日オープンは、近年では2010/11シーズンの12月16日に次ぐ遅さ。それも、例年ならパノラマからオープンするところ、降雪機を導入したリーゼンスラロームからのオープンだったので、降雪機導入がなければ五竜・栂池・コルチナ・鹿島槍に後れを取って、19日のパノラマ・兎でのオープンだったかもしれない。

 奥美濃も似たようなもので、降雪機のあるコースは12月中旬にオープンしたが、急斜面を含めた全面オープンは1月中旬以降と、15/16シーズンや16/17シーズンと大差ない状況。

 その後、2月中旬までは平年並みの営業状況だったが、2月下旬から3月上旬が季節を1か月先取りするような高温になり、もともとの積雪が少ないことから、例年は雪寄せして何とか4月中旬までの営業を目指すウイングヒルズ白鳥が3月31日で終わるなど早期終了するゲレンデ多数。4月に冷え込んで春スキーの状況は良かったのだが、GW前に高温と大雨があってGWの白馬はコブ底露出多数だった。

 奥美濃では、ホワイトピアたかすが予定より1週間早く3月24日に終了、鷲ヶ岳も予定より1週間早く3月31日に終了したが、めいほうは予定を1週間遅らせて4月14日まで、高鷲スノーパークは5月6日まで営業した。4月上旬の冷え込みでの延命もあるが、奥美濃内でも場所により積雪量が大きく違ったのか、標高の影響が大きかったのか、シーズン中を含めての人工降雪機稼働の気合の違いなのか、営業期間はスキー場によって明暗が分かれていた。

 スキー客数は、長野県は前年比-1.8%で、15/16シーズンに次いで平成以降のワースト2。震災以降の4シーズンは雪にも恵まれたとはいえ、震災のあった10/11シーズンを底に下げ止まりをみせていただけに、年末年始に雪のなかった15/16シーズンや16/17シーズンはともかく、降雪が早く年末年始を全面オープンで迎えられた17/18シーズンが前年を下回ったのがショックだったが、18/19シーズンはやはり、それをさらに下回る結果になってしまった。

 この間、外国人客は増えており、白馬ではもはやシーズンを通じてほぼ1/4が外国人。雪不足が続いたことで外国人客の増加では補えないほど日本人客離れが進んでいるということで、ようやく下げ止まったかにみえた震災後4シーズンの客数水準から、1段切り下げてしまったよう。

 新潟県は+0.4%と微増だったように、東(北)へ行くほど好調で、西(南)へ行くほど不調だっただろうが、トータルではどうだったのかは11月頃に公表されるはずの索道輸送実績の数字を待ちたい。