鬼滅の刃

 上映回数が話題の「鬼滅の刃」、週末3日間で興行収入46億円と異常なスタート。これまでの記録がいくらかは分からないが、新記録。

 昨年のテレビシリーズで人気が急拡大し、主題歌を歌った歌手は紅白に初出場、今年になって単行本が爆発的に売れる中での連載終了と話題が途切れないままでの映画公開で、コロナ禍でライバルとなる大作がなく、苦境にあえぐ映画館がここぞとばかりに上映回数を増やしたことでの異常な記録。

 「君の名は。」の2日間で7.6億円(最終興収230.4億円)は、その後に口コミで話題が話題を呼んでのリピーター大量発生だったから参考にならないが、それがあって事前の宣伝が多く期待値も高かった「天気の子」でも3日間で16.4億円(最終興収141.9億円)というから、「鬼滅」の凄まじさがよくわかる。

 近年は「名探偵コナン」が成人女子にハマって興行収入を年々増加させ、去年はついに90億円を超えた(初日から3日間では18.8億円)が、これだって相当な数字。鬼滅がいくらバズっているといっても、少年マンガ原作ものとして、コナンの90億円は厳しいんじゃないかと思っていたが、甘かった。

 製作サイドは興収100億円を目標にしていたというから相当なものだが、早くも突破確実。逆に、このスタートで100億行かなかったら、それはそれですごい。

 バズり具合は新海誠監督作以上だが、年齢層の広がりは宮崎駿監督作はもちろん、新海監督作よりも狭く、子供中心では熱心なリピーターはつきにくい。コナンの90億円も、大人女子によるアイドルに貢ぐかのようなリピートが支えている。

 しかし鬼滅は、子供につられてその親がハマるパターンになっているし、メディアがこぞって取り上げたことでバズりはさらに拡大中。こうなるとアナ雪クラス(1作目は3日間9.4憶円・最終255億円、アナ雪2は3日間19.4億円・最終133.5億円)にならないとも言い切れない。いや、ディズニーには元々、熱心な大人のファンもいるとなると、そこまではいかないか。

 100億円以上は36作あるが、150億円以上となるとわずか11作。「アナ雪2」や「天気の子」を上回るや否や。