3回目の週末を終えて、興行収入は順調に150億を突破して約158億円、観客動員数は1189万人とのこと。
最初の土日から2回目の土日での落ちが90.6％は、8割くらいが平均的のなか減りが少なかったが、1週目平日+2週目週末の合計からその翌週での落ちが85.6％というのも、6～7割になる映画が多いのでかなりの粘りっぷり。
ちなみに、「天気の子」は2週目週末/初週末、2週目平日+3週目週末の前週比とも85％とさすがの粘り。一方「ONE PIECE STAMPEDE」は2週目週末/初週末が54％、2週目平日+3週目週末の前週比が47％と典型的な初週集中型だった。
「天気の子」は7/19公開で夏休み中は好調で、6週目平日+7週目週末となる8/26-9/1でも1週目平日+2週目週末比44％、この5週間の平均では前週比85％と驚異的な粘り、その後の5週間も平均前週比71％は健闘していると思うが、それでも10週目平日+11週目週末以降は週10数万人、興収2億以下になっている。
「鬼滅の刃」は「天気の子」に対して、初週末はほぼ3倍、その後も2.7倍近くで、公開17日目までで2.75倍なっている。このままのペースで「天気の子」の2.7倍となると、最終興収は「千と千尋」の308億どころか軽く400憶を超えることになるが、さすがに「天気の子」の3倍近いリピーターがいて10週以上見続けるということはないだろう。
まったくの個人的な感覚だが、これまで、興収150億～200億の作品の鑑賞実人数はせいぜい1000万人・興収130億円程度で、150億から上の部分はリピーターの数とリピート回数なのかなと思っていた。
250億クラスの「君の名は。」やアナ雪やタイタニック、唯一300億超えの「千と千尋」あたりの実人数はもう少しいるだろうけど、それでも1500万人はいないのではないかと。
そうだとすると、鬼滅は観る人はもうほぼ観て、早くもリピーター頼りということになり、どれだけの数のリピーターがどれだけの回数観るか次第ということになる。
それでも200億円は確実で250億円の可能性もかなり高くなったが、ここから前週比70％で減っていくと300億には届かない。75％程度は必要。
あるいは実人数で1500万人（興収200億円）、2000万人（270億円）と広がり、軽々と300億円を超えていくのか。
ここまでのヒットとなって、今後の展開が逆に難しくなったりはしないだろうか。
昨年春から秋にかけてのテレビシリーズと今回の劇場版は同時に企画されていたとして、テレビシリーズの放映中から話題になっていたから、劇場版の後の原作の続きの映像化も、テレビシリーズが終わるまでに決まっているのではないだろうか。
その時点では、第2期として2クールを、早ければ2021年の春～秋か21年の秋～22年春に、くらいだと思うが、こうなると原作の残り全部、映画としてつくるという選択肢もあるだろう。
しかし、原作は全205話で「無限列車編」は54話から66話ということだから、1作で13話相当だとするとあと映画10本作れてしまうし、ヒットを受けて今後はよりじっくりとエピソードや戦闘シーンを描きこむとなるとそれ以上になる。
あのクオリティのものを毎年作るのも大変だが、毎年作って10年。「クレヨンしんちゃん」も「名探偵コナン」もそれ以上続いているが、完結済みの原作に忠実に毎年映画を作るというのは過去に例がないし、エピソードが都合よく13話前後で分かれているわけではないので、思いっきり話の途中で「続く」となってしまう。そうなると冒頭は「これまでのあらすじ」から始めるべきだろうか。
テレビシリーズ2クールで原作53話は、1回で2話分、約10分/話で、劇場版の9分/話と同程度。それだと残り70話分となる。描きこみを増やして2クールを3回か。
テレビシリーズ2クールは、劇場版以上に毎年はしんどいのではないか。時間的に2クールは映画4本分以上に相当するし、劇場版ほど枚数かけないとか作画チェックきびしくないとかはあっても、労力が何倍も違うということはないだろうから。
制作しているufotableはここ数年、年間にテレビシリーズを1～2クールと劇場映画を1作くらいのペースで作っているので、他を作らずこれに集中すれば可能な計算ではあるが、現実的にはどうだろう。「Fate/stay night」シリーズが終わり、「Fate/Grand Order」は別の制作会社となっているので、余力は比較的あるのかもしれないが。
話題を提供し続けるということでは、毎年新作があった方がいい。今回の企画がいつから動いていたか知らないが、2クールのテレビシリーズと劇場版を1年ずつ交互にを続けられるなら、それがよさそう。テレビシリーズはフジテレビ系列でゴールデン帯での放送になるのだろうか。
それならテレビシリーズ3期と劇場版3作。ちょうどいい分量の感じもする。
