エルニーニョ

 去年12月でラニーニャが終わり、今年の夏からはエルニーニョになりそうだとのことです(5月の発生確率70%、6月以降9月まで80%)。おおよそ1年から1年半続くことが多く、冬から来年の春にかけても続く可能性が高いと考えられます。

 エルニーニョは一般には冷夏・暖冬になると言われています。スキーヤーには困った現象です。が、あらためて過去の出現確率をみると、7月から10月にかけては確かに低温傾向が見られますが、冬に関しては、1月に東日本、2月に西日本で高温傾向が見られるものの、冷夏程はっきりとした傾向は観測されていないとなっています。

 日本海側の降水量も、例えば1月の東日本は少なかったことが54%と半分を超えていますが、多かったことも38%あり、必ずしも少雪(少雨)傾向とも言えません(「並」が8%しかありません)。

 2月などは「多い」が50%で「少ない」は25%とむしろ多雪傾向で、3月も「多い」が67%です。が、3月は低温が11%しかないので、高標高域は多雪だけど低標高域では多雨になってしまいます。4月も低温が0%・高温が56%と、エルニーニョは春に低温にならない傾向が強く出ています。

 エルニーニョラニーニャも、気温の傾向ははっきりと出ますが、降雨量の傾向はそれほど出ていません。低温か高温が50%以上か15%以下なのは、エルニーニョで6か月・ラニーニャで8か月ありますが、少雨・多雨が50%以上か15%以下なのは、エルニーニョだと4か月・ラニーニャだと2か月しかありません。(アメダスの観測点は高標高には少なく、スキー場の降雪量との関係となるとまた違ってくると思いますが)

 近年の暖冬傾向をみると、長く安定したスキーシーズンのためには、1月・2月がどうかよりも、12月の雪の降り始め時期と量、そして3月以降の気温の影響が大きいように感じます。エルニーニョの12月は、東日本では高温が38%、低温が23%で、日本海側の降水量は少雨が38%で多雨が31%となっています。どちらかといえば高温少雪ですが、「高温ではない」「少雪ではない」出現率が62%であるとも言えます。

 エルニーニョは3月・4月が圧倒的に「低温にはならない」傾向なので、12月はなんとか「高温ではない」「少雪ではない」スタートとなってもらいたい、なってもらわないと困ることになりそうです。