スノーリゾート地域の活性化に向けた検討会

 国(観光庁)は、2015年1月から継続的に、行政・民間・有識者等によるスノーリゾートをテーマにした会議を開催しています。

 2015年というと訪日外国人数の急増期(2014年;+29%/+305万人、2015年;+47%/+633万人)でもありますが、スキー業界的にも、降雪に恵まれ、震災後のレジャー需要回復に乗って2013年度・2014年度とスキーブーム終焉以降初めて冬季の索道輸送人員数が2年連続(冬以外も含めた通年では2011年度から4年連続)で増加して「スキーブーム再燃」などと言われもした時期です。

 マックアースの運営スキー場数が2014年に30を超えて救世主ともてはやされ、2012年11月に白馬観光開発を東急から買収した日本スキー場開発が2015年4月に上場と、明るいニュースが続いていました。その後、スキー業界はずっと雪不足に悩まされることになり、コロナの直撃も食らうことになりますが、スノーリゾートをテーマにした会議は絶好調の時期に始まりました。

 初めは「スノーリゾート地域の活性化に向けた検討会」です。検討会設置の目的は「観光振興のため、スノーリゾート地域における様々な課題に対応すべく」「スノーリゾート地域やスノースポーツ人口、 スノースポーツ競技の現状及び課題について幅広く調査・分析し、今後の方向性等を検討するため」で、主な検討事項として

(1)スノーリゾート地域の現状及び課題(地域住民のスキー参加を含む)

(2)国内スノースポーツ人口の現状及びスノースポーツ人口拡大に向けた取組・課題

(3)スノーリゾート地域へのインバウンド拡大に向けた取組・課題

(4)我が国における生涯スポーツとしてのスノースポーツの定着及びスノースポーツの競技力向上に向けた取組・課題

が挙げられるなど幅広いものでした。

 検討会は2015年6月に中間報告を出し、2017年2月に再開して4月に最終報告を出します。最終報告では、今後の取組(事業者、民間団体、地方公共団体、国が連携した取組)の方向性を示し、包括的なアクションプログラムの策定・実施を提言しています。

 ここで示した取組の方向性は、地域の経営力の向上/国内客対応/関係者の連携強化/モデル事業の実施など。国内客対応としては「生涯を通じたスノースポーツ人口の拡大(特に子供・若者・高齢者が重要)」を挙げていました。

 この時点では、「主な検討事項」の幅広さそのままに、特に訪日客誘致にフォーカスしたものではない、幅広い提言でしたが、その後は訪日客誘致にフォーカスしたものへとなっていきます。(続く)