スノーリゾート地域の活性化推進会議

 「スノーリゾート地域の活性化に向けた検討会」の最終報告での提言を受けて、2017年10月から「スノーリゾート地域の活性化推進会議」を開き、アクションプログラムの策定に取り組みます。

 アクションプログラムの骨子は「モデル事業の実施」と「スキー場の経営に関する事項」で、前者はその取組成果を検証し横展開、後者は事例収集と情報共有を目的としたものです。

 このモデル事業には公募から大雪(旭川)地域と八甲田地域が採択されますが、その取組内容は「アジアを中心としたスキー観光客をターゲットにスキーインバウンド裾野拡大」と「初めて雪に触れる外国人観光客に青森でしか体験できないコンテンツの提供」とスキー初心者のインバウンド向けのみでした。

 雪不足で国内客が減る中、外国人客はさらに増加して比率が高くなっていましたし、かつ、外国人客は平日のお客さんになることからスキー場やその地域にとっては重点を置くべきターゲットだからでしょうが、このモデル事業の採択の時点で国内客を含めての活性化よりもインバウンドメインの姿勢が伺われます。

 2018年3月の第3回検討会でモデル事業の成果を含む取組の報告がされ、2018年度もモデル事業の公募・実施、アクションプログラムの策定など、同様の取組が行われます。

 モデル事業の取組は、公募に当たっては「訪日外国人の誘客への対応について」と「日本人の誘客への対応について」が挙げられていますが、採択されたたざわ湖と湯沢の事業内容は、たざわ湖では

・新たなバックカントリーガイドツアーの実施

・廃止スキー場を活用したスノーアクティビティの開発

・インバウンドを惹きつける観光コンテンツを生かしたオプショナルツアーの開発

湯沢では

・外国人目線を取り込んだ体験型観光コンテンツ及びモデルコースの開発

ハルビン市スキークラブ等の招聘、北京市での観光説明会、ベトナム商談会の参加及びセールスコール

となっており、たざわ湖はまだしも湯沢は完全にインバウンド向けのみです。

 たざわ湖にしても、成果報告で有識者から「地元のスキーヤーも多く、このような特徴は残したまま、インバウントとうまく共存できる仕組みを考えるとよいと感じた」という発言があるなど、実質的にはインバウンド向けの取組です。

 「日本人の誘客への対応」は飾りのようなもので、「スノーリゾートの活性化」=「いかにインバウンドを呼び込むか」という視点は、この時点ではもう事業者・観光庁の共通認識になっていることが伺われます。