皆川氏の発言に思う -3

NumberWebの「NSBC補講Ⅳ 皆川賢太郎のスキー革命論」の2018/11/29「一年じゅうスキーができる国をつくる。皆川賢太郎が考える屋内施設の価値」より。

 「一方、スキーやスノーボードは道具を揃えなければなりません。板、靴など、金額にして10万程度。決して安くない金額です。大半の愛好者が年間スキー場を訪れるのは平均で1~3回程度。たった3回のために10万のものを購入するのはハードルが高いと言えます。」

 スキー場を訪れるのが年間1~3回程度の人が、一式10万円出して道具を揃えているだろうか?ウエアや小物は買ったとしても、板・ブーツはレンタルで済ます人が多いのではないか。というか「たった3回のために」って毎年買い替える前提?そんなバカな。

 

 「しかも、道具を発注するのは6月、手に入るのは12月。そもそも10万という大金を支払うのにすぐに使えないとか、忘れた頃に届くとか……どんなにお金を払ったから元を取らなきゃという心理が働いたとしても、やはり単価は決して安いとは言い難いものです。」

 「道具を発注するのは6月」というのはかなりのマニア。そういう人は年間30回以上滑ってるのではないだろうか。そういう人は板だけで10万円以上だったりするが、それでも毎年買うというのは、ヤフオクなどで売っていないとなかなかいないだろう。 

 

  「3月には雪上で次のシーズンのモデルを試す試乗会なるものを行っていますが、そこに参加できなければ、いわゆる“ジャケット買い”になってしまう。私は実際に道具を使って購入できることにメリットがあると考えていて、事前に試してみることで人の道具への満足度がすごく高くなると考えています。」

 試乗会に参加するのも、その時点でまあまあなマニアかと。でもまあ、道具の違いは気にしないし分からないと思っているであろう年3回の人も、何年か滑っていてパラレルでそこそこ滑れるようになっているなら、本人が思っている以上に道具の違いも分かるのではないかとは思う。

 しかし試乗会にそういう人向きの中級板はほとんどない。ID One試乗会くらいか。今の試乗会参加者に中級板のニーズがないからと言えばそうなのだろうが、試乗会にライトユーザーを呼び込んで裾野を広げる方向にもっていくなら、ラインナップの見直しや告知・声掛けの工夫が必要だろう。”ニューモデル試乗会”ではなく、”無料お試しレンタル”の方がいいかもしれない。

 (続く)