SAJの体質? -2

 どうも体質に問題がありそうなSAJ。

 そんなSAJで、競技引退から2年も経たない、コーチの経験や実績があるわけでもない皆川賢太郎氏の理事就任。役員名簿を見ると、有名人というと元選手では原田雅彦氏くらいで、あとは橋本聖子氏と星野佳路氏(星野リゾート社長)など。

 選手としての経歴だけでというのはSAJに限らず異例なことだろうし(福原愛氏がTリーグの理事に就任したが)、しかも理事就任から1年で常務理事、その翌年には競技本部長というのも相当異例ではないか。

 理事就任は、皆川氏によれば「ほぼ一本釣り」とのこと。皆川氏が理事に「一本釣り」された2015年秋はSAJの体制が一新されているようで、北野建設の社長が新会長に就任している。

 皆川氏の競技本部長就任は前任者の突然の辞任によるものとなっているが、日刊紙が「(皆川氏が)北野会長に可愛がられてきたことが今回の人事につながったとみる向きもある」「解せない人事との声は少なくない」「突然の強化トップ交代劇に”長野閥”の影」(関係者の話として)「(五輪8か月前の)この時期の強化トップの交代に納得できる者はいません」などと報じていた。

 人事にこういう話はつきものだろうし、こういう日刊紙はスキャンダラスに煽る記事を書くものだから、SAJ内部(役員)で実際のところどう受け止められているか、また、選手がどう受け止めているかは分からない。

 こうした人事について皆川氏は、「どんな人も、オリンピックが終わってから基本的に人事を変えようって思うもの。ですが、北野会長の手腕もあって、今の役割を担っています。」「普通私がこの年齢で、強化も金も管理してなんてことはあり得ない。しかし、今は互いがやっている目的がはっきりしているから、若いから、という話にはならない。スキー連盟はかなり変わる思う」という発言をしている。

 日刊紙は北野会長の独断専行にように書くが、どちらかというと組織改革を断行しているように見える。その象徴であり実行者として、知名度も行動力もある皆川氏を積極的に登用し、皆川氏もその期待に応えるべく動いているように見える。

 SAJが上層部の保身や利権のために動く組織だったのかは分からない。でも少なくとも今は、選手の育成・バックアップやスノースポーツ産業の活性化のために動く組織になろうとしているように見える。

 言葉で、行動で、結果で、そのことを示してくれることを期待している。