2018年度・索道輸送実績 -2

 増加したのは静岡県(+7%)と群馬県(+5%:7.1%減の普通索道を含めると+3.8%)、それとなぜか岡山県(+0.3%)。静岡は256万人とイエティだけでは多いので、スキー場以外のチェアリフトが好調だったということか。岡山は66.9万人と4スキー場だけの数字のようだが、だとしたら理由が分からない。群馬もよく分からないが、比較的積雪に恵まれていたのだろうか

 索道輸送収入も減少しているが、12月~3月の前年同期比は1.8%減と、人員数に比べて減少幅は小さい。乗車1回あたりの単価が前年の194円から202円へ上昇しており、200円台は18年ぶりとなっている。

 単価が最も低かった2010年度の174円からは1割以上の上昇となる。この間、そこまでリフト券価格は上がっていないから、1日券での乗車回数が減っているということか。最も高かったのは1997年度の220円と、そこまではまだ1割の開きがある。バブル期といえども1日券価格は今より安かったから、混雑で今よりもっと1日券での乗車回数が少なかったということか。

 単価を普通索道と特殊索道とに分けると、普通索道の伸びが大きくなっている。普通索道の単価463円は前年比5.2%増で、最も低かった2008年度の357円からは3割、2番目に低かった2011年度の385円からでも2割高くなっている。特殊索道は単価171円で前年比2.5%増、最も低かった2011年度の153円からで12%増どまり。

 1日券の場合、普通索道収入と特殊索道収入は輸送人員数で比例配分するのだと思うのだが、だとしたら輸送人数と収入は比例するので、1日券の普通索道比率が上がっても単価は変わらないはず。となると、雪見観光でゴンドラ・ロープウェイに往復券で乗車する客が、単価に明確に影響するほどに増えているということか。

 2018年度の冬季(12-3月)索道収入511.6億円は、1982年度の486億円から一気に610億円に増えた1983年度以降では、2015年度の470.9億円に次ぐ少なさだったが、通年での収入706.2億円は1983年度以降で6番目に少ない数字となっている。

 冬季の収入はピークの3割しかないが、冬季以外の収入はピークの7割(普通索道に限れば8割)あり、ピーク時は7:1だった冬季:冬季以外の収入比率は2.5:1程度に縮小している。これは登山ブームのおかげもあろうが、通年で稼げるようにとの企業努力の賜物でもあるだろう。

 改めて数字を見ると、バブル期の冬の索道輸送人員数は今の3倍だが、冬以外も今の2倍あったのだから驚き。特殊索道が2.5倍なのは今よりも観光用リフトが多かったということかと思うが、普通索道の1.5倍はほぼそのまま稼働率の違いではなかろうか。それだけ、誰もかれもレジャーに繰り出していたということか。