改めてチャオのクラファンについて考える

 いいづなリゾート、秋田八幡平、木曽福島クラウドファンディングをみて、改めて、チャオ復活プロジェクトの怪しさが際立つ。

 発起人の正体がよくわからないし(チャオの運営に関わっていたというが、信じるに足る情報がない)、集めたお金の使い方やスケジュールがフワッとしていて具体性に欠ける。プロジェクト概要は耳触りの言い美辞麗句を並べているだけにも感じる。

 リターンの中身と出資額のバランスが悪いのも間違いない。220人以上から150万円以上が集まっているのは、5000円でシーズン券がもらえてしまうからだろう。

 木曽福島スキー場が2019/2020シーズンから、地元有志中心と思われる運営会社を立ち上げての指定管理運営を始めているが、ホームページのブログでオフシーズン中の仕事について投稿していて、メンテナンスの大変さがよくわかる。

 きそふくしまスキー場について、去年まで指定管理者だったアスモグループは、2014~2018年度の5年間の平均で年間5500万円ほどの工事費が掛かっていて、8年後に廃業するとしてもそれまでに年平均8000万円以上必要、ずっと営業を続ける前提なら年1.2億円の整備費用が必要との試算をしていた。

 クラウドファンディングで1500万円程度集めたところで、スキー場を動かすのに足しにはなるとしても、焼け石に水に近いのではないか。設備点検と草刈の費用くらいにはなるのかもしれないが、点検して修理が必要な箇所が見つかったらどうするのか。そもそも休止の表向きの理由は台風被害ということだったが、それは実際はどうなのか。レストランやレンタルは掃除するだけで再開できるような状態なのか。

 READYFORの方は支援者が増えているのに対して、CAMPFIREの方はゼロのままというのもナゾなのだが、しかもCAMPFIREの方の発起人が、Tomohiro Iwata から Hakuryu Sato に変わっている。どういうこと?

 Tomohiro Iwata は、おそらく、おんたけ2240スキー場のポールボードスクール代表の岩田友宏氏だろうということで、それならREADYFORのプロジェクト本文の「過去にチャオ御岳スノーリゾートの運営に関わっていた経緯から」というのも、今のおんたけ2240の支配人は元チャオの支配人だし、まあそうなのかと思ったが、Hakuryu Sato でヒットするのは、スピリチュアルな占い師の「都 白龍(さと はくりゅう)」さん。岩田友宏氏と同じ高校卒で同い年。

 こうなるともう怪しさ満点。まあそもそも、2か所で同時にクラウドファンディングを開始している時点で怪しいのだけど。

 マトモな3つのクラファンはすべて、目標額に満たなくても成立するAll-In方式だったのに対して、チャオのは目標額に達しなければ不成立のALL-or-Nothing方式。それに安すぎる出資額設定。1500万円という金額も3000口という支援者数も、マトモな3つの事例をみると無理筋な設定に思われる。

 ということは、これは悪意ある詐欺的なものではなく、ただの思い付きでもなく、不成立を前提とした話題づくり、あるいはどれくらいの人が反応するかの観測気球的な目的と考えるべきか。

 だとしたらすでに成功していると言えるのかもしれないが、信じて支援を名乗り出てくれている人に対して不誠実だし、人騒がせだ。

 いや、騒がせるのが目的だから、こうして騒いでいることは目論見通りなのか。