「木島平スキー場」改め「スノーリゾート ロマンスの神様スキー場」

 木島平スキー場は、来シーズンから「スノーリゾート ロマンスの神様スキー場」としてリニューアルオープンするとのこと。すごいインパクト。

 昨年3月に木島平村が民間譲渡の方針を発表し、「民間譲渡できない場合は休止や廃止も検討。村の施設としては維持管理していくことは難しい」となった際にはこのまま廃止かとも思われましたが、意外にも手を挙げる民間企業が現れました。

 手を挙げたのは湘南美容クリニックなどを運営するSBCメディカルグループ。スノーリゾートに関しては未経験のまったくのシロウトです。グループの創業者である相川代表が学生の頃からスキーに親しんできたことから、スキー産業の再活性化と当該スキー場を起点とした木島平村への通年の観光交流人口の創出による地方創生へつなげることを目的として運営を決定したとのことです。代表は1970年生まれなので、大学時代にスキーブーム直撃の世代ですね。

 スキー場の活性化施策の一環としてわくわくするネーミングを検討していたこと、相川代表と広瀬香美さんが十数年来の友人であったことから、この名称変更に至ったということですが、それにしても大胆です。このあたりは異業種の起業家ならではなのかもしれません。

 これまでも、マックアースからの売却先で旅館プロデュース業や太陽光発電事業者などの異業種参入がありましたが、ことごとくうまくいってません。開田マイアの引受先も、製造業が中心ながら「ホテル・観光事業・飲食店業・輸入雑貨の販売など」も手掛ける異業種の会社で、1年目となる今シーズンはつつがなく営業している様子ですが、まだ何ともわかりません。

 SBCメディカルの”「美容×健康×ウィンタースポーツ」のマーケットを開拓し、地方都市に「スキー場再生における木島平モデル」を示していきたい”というのは、いかにもな美辞麗句が並んでいて地に足付いていない感じもしますが、スキー場運営については、ここ10年以上も設備投資と客数増の好循環が続いて絶好調のグランスノー奥伊吹の運営会社と提携して進めているということで、なかなか手堅そうです。

 今シーズンもさっそく、山頂リフトを再開したり、ファミリー向け一辺倒からツリーランや地形遊びなどボーダー向けへの宣伝を始めたりと変化が伺え、来シーズンはシーズン前の宣伝展開やツアー会社への売り込みなどを含め、どういう手を打ってくるのか楽しみです。

 広瀬香美さんからは「私もめちゃくちゃ力を入れて応援しようと思います」というコメントも出ているようで、「ユーミン×苗場」ではないですが、岩岳もグリーンシーズンに音楽イベントを開くなどしていますし、そういったイベント展開も期待できるかもしれません。

 というか、グリーンシーズンの収益化無くして、冬の収入だけでやっていけるスキー場なんてほとんどないかと思われるので(奥伊吹はやっていけてるのかもしれませんが)、冬の赤字をなくすことも大事だけど冬以外をどうするかも同じだけ大事なのではないかと思います。

 個人的には、やまびこの丘復活で高井富士・よませとの接続は無理でも、牧の入との共通券はあってくれてもいいかなと期待しています。