リフト券価格の爆上がり・二極分化

 来シーズンのリフト券価格がポツポツと出始めています。

 めいほう:5200→5500、ウイングヒルズ白鳥:5000→5500、御嶽:4300→4500、ニンジャ:3900→4500、戸隠:5000据置き、尾瀬岩鞍:5500→6000、など、「去年よりは上げ幅縮まるかと思ったけど、もしかすると去年と同じくらいになるかも」と思っていたら、五竜:6000→7500、ニセコ全山:8500→9500、という衝撃価格が飛び出しました。

 五竜の上げ幅(+1500)・上げ率(25%)は、去年のルスツ(6500→8800;+2300/35%)、軽井沢プリンス(5700→7500;+1800/32%)に次ぐものです。

 web購入なら6500円(初回はカード保証金の500円が加わって7000円)なので、実質は+500円ですが、webと窓口で1000円差をつけるのは珍しく、web販売に大きく舵を切った形といえます。

 販売の人件費抑制というほど窓口に人を割いていた感じでもないので、それよりもリフト券窓口に長時間並ぶことでの満足度低下の回避が目的でしょうか。

 これで八方が五竜を下回る値段にするのかどうか。

 客入りはもう8年連続で負けっぱなしなだけに、その点では五竜の方が高くても全く妥当なのですが、八方も窓口は6500→7500になりそうに思われます。

 そうなると、志賀高原も6500→7500になるでしょうか。ニセコビレッジ・ヒラフ・サホロ・富良野・キロロといった昨シーズン6500円以上のところは軒並み7000円オーバーになるかもしれません。

 2年前は6000円を超えるものが10もなく、7000円以上はニセコ全山の8100円だけだったのに、来シーズンは7000円超えが10を超えそうです。

 ニセコ全山は、2013年から400円,500円,500円と3年で1400円、2019年に600円、昨年に400円と大きめの値上げを連発してきましたが、今回の+1000円は過去最大の上げ幅・率となります。

 昨シーズン8800円のルスツがさらにどれだけ上げてくるかですが、最高値はニセコ全山が奪還ということになりそうです。

 去年大きく上げなかったところが大きく上げてくることはあると思いましたが、2年での値上げ幅が1000円を超えるところが続出するかもしれません。

 これは強気というよりも、ゴンドラや高速リフトを複数抱えるような大きなスキー場が近年の入込客数で設備更新して持続可能であろうとするなら、リフト1日券価格は5000円どころか6000円でもとても無理であって、背に腹は代えられず仕方なくの値上げなのかもしれません。

 ここ20年ほどの主要な170ほどのスキー場のリフト1日券価格の推移を見ると、平均価格も去年大きく跳ね上がりましたが、平均価格のバラツキを示す標準偏差はそれ以前から大きくなっていて、去年はやはり大きく跳ね上がっています。

 平均価格ともども底は2005年で、このときは454でした。その後の上昇具合は平均価格より大きく、2016年に500を超え、2020年に600を超え、昨年は790に急上昇です。

 平均価格に対する比率を見ても、2015年まで11%台だったのが2020年に13.8%になり、去年は16.3%となっており、「平均価格-標準偏差*2」の税抜き価格はずっと2900円台で変わっていません。

 170スキー場となると主要とはいえそれなりにローカルに近いところもあり、そういう安いところはほとんど値段が変わっていないけれど、高いところはどんどん高くなっているということです。

 今年の上げ幅・率が去年を超えてくるかはまだ分かりませんが、2年連続で大きく上がるのは間違いなく、二極分化も進んで標準偏差は拡大するでしょう。ただ、さすがにローカルに近いスキー場の値上げも進むことで「平均価格-標準偏差*2」は3000円を超えて高値を更新するのではないかと予想します。