2018-01-01から1年間の記事一覧

ザウス的屋内ゲレンデについて -5

(前回から続く) 屋内ゲレンデはドバイにもあるし、スペイン・イギリス・オランダ・ベルギー・ドイツ・リトアニア・ロシアなどにもある。ドバイはもちろん、スペイン(マドリード)なども冷涼な気候ではないし、オランダやドイツのものは首都などの大都市近…

ザウス的屋内ゲレンデについて -4

(前回から続く) ザウスは11月が一番混雑し、9月から12月にかけてが繁忙期で、1月から3月が閑散期だったというが、それはあくまで「ホンモノの代わり」であってホンモノとは別の独自の価値を提供できなかったからとも言えそう。 当初のライト層狙いというと…

ザウス的屋内ゲレンデについて -3

(前回から続く) ザウスはスキー場全体に比べて客の目に見えての減り始めが遅かったが、最終の2002年でも客数がピークの3割減程度だったなら、減り方もスキー場全体に比べるとマシなほう。 例えば、特殊索道(いわゆるチェアリフト)の輸送人員数は、1990~…

ザウス的屋内ゲレンデについて -2

(前回から続く) 最終年度で、営業キャッシュフローがほぼトントン、営業損益は減価償却費の20億円が赤字。最終年度は来場者70万人強だったらしい(60万人台とする情報もある)。最後の方はwebサイトに3800円の割引券が出ていたというが(正規は5400円)、…

ザウス的屋内ゲレンデについて -1

皆川氏のスキードーム構想について、その時の記者の記事に気になる記述があったので、それについて一言。 ---記事引用-ー- 千葉県船橋市にあった「スキードーム ザウス」はバブルのあだ花としてすっかり有名になり、負のイメージが根強いが、「ザウスは…

皆川氏の発言:収益化-2

(前回から続く) 皆川氏の発言としては取り上げられていなかったが、記者の文章で、”スポーツとしての「興行化」。これが皆川氏が掲げるキーワードだ。”、”独自財源の確保に向けたもう一つの柱が「観るスポーツ」としての発展だ。”、そして、”産業振興が選…

皆川氏の発言:収益化-1

インタビュー記事での皆川賢太郎氏の発言まとめ。 次はマーケティング担当常務理事として、SAJの収益化関連について。 「支出ばかり意識しても考え方が狭くなる。それなら全体の収益を増やして使えるようにしたらいい」 「スキー連盟には国などからもらえる…

皆川氏の発言:選手強化-2

(前回から続く) ここで「今まで流れなかった強化費」と言っているのは、「無駄な経費ばかりかかり」から繋がるのだろうけど、皆川氏が言うと「アルペンに流れてこなかった」という、メダル有望種目に重点配分とする方針に対する恨み節にも聞こえる、という…

皆川氏の発言:選手強化-1

インタビュー記事での皆川氏の発言を抜き出してまとめてみる。 まずは選手強化について。 「(強化のための)予算を5倍もかけている国と戦っている選手もいる。そのなかで成績を上げている彼らの努力はすごいが、十分に知ってもらえていないのは我々の能力…

身近であることもメジャー競技の条件? -2

スノースポーツのメジャー化について考えるにあたって、身近さからかけ離れた超人的すぎる競技はメジャーになりきれないのではないか、という仮説を立てて考えてみる。 スキージャンプはそもそも超人的だし、フリースタイルもそうなりつつある。じゃあアルペ…

身近であることもメジャー競技の条件? -1

あるスポーツがメジャー化するには、スターの存在が必要なのは確かだろう。 でも例えばノルディックスキーの場合、荻原健司や原田雅彦が五輪で団体金メダルを取ってもメジャー化しなかったのは、キャラが弱くてスターにならなかったとか以前に、スキージャン…

スターの条件 -2

(前回から続く) 上村愛子はスキー界のアイドルにはなったし、オリンピックでは一般からも注目される存在ではあった。しかし女子カーリングがそうであるように、世間的には五輪イヤーだけのアイドルだったように思う。 もし、長野五輪で里谷多英でなく上村…

スターの条件 -1

フィギュアスケートが興行として成立するまでに成功したのは、浅田真央というスターの登場が決定的だったろうが、実力や結果だけではスターにはならない。 実力があるのはもちろんだが、五輪で金メダルを取ってないのに、というか五輪出場決定時点で既に、浅…

観る競技としてのスノースポーツのメジャー化 -3

(前回から続く) メディア観戦の商業的成立という点では、日本では、地上波はもはや、スノースポーツに限らず、イベント的なものしか扱われなくなっているが、逆に、世界選手権については、陸上、水泳、卓球と、かつてはこれほど大きく扱われてはいなかった…

観る競技としてのスノースポーツのメジャー化 -2

(前回から続く) 10年ぶりの日本開催となった2016年のアルペンスキー・ワールドカップ苗場大会。1日1万円のスタンド席も1日3000円の立見席もすべて売り切れたとのことで、2日間で11,000人のギャラリーは、オーストリアのキッツビューエル、スイスのウェンゲ…

観る競技としてのスノースポーツのメジャー化 -1

皆川賢太郎氏の目指す「興行化と競技強化の好循環」とは「競技のメジャー化」ということもできるだろう。 スキー・スノボは、レジャー(するスポーツ)としてはメジャーな部類だろうが、競技の商業的価値(観るスポーツ)としては日本ではマイナーといえる。…

スキー産業と競技強化の持続可能性 -2

「産業振興が選手の強化につながり、興行の担い手としての選手の活躍が振興にも循環していく」ためにどうするか。 皆川賢太郎氏は、まずアンダーチームを変えると言っている。スキークロスのように年齢、経験といったキャリアが生きる種目と、ビッグエアのよ…

スキー産業と競技強化の持続可能性 -1

「産業振興が選手の強化につながり、興行の担い手としての選手の活躍が振興にも循環していく」のが皆川賢太郎氏の「思い描く未来」。 日本のスキー産業とスキー競技者育成の持続可能性について考えてみる。 皆川氏のスキードーム構想もその一環だし、平昌五…

スキードーム構想 -2

皆川賢太郎氏は、傾斜地を囲うことでコストを抑えたスキードームを構想している。それを「10年以内といわず5年以内」にと意気込んでいる。 5年以内に可能というなら、今あるスキー場のゲレンデ(の一部)を囲うのだろう。一般客に来てもらうには都心からのア…

スキードーム構想 -1

インタビュー記事をいくつか読んで、皆川賢太郎氏の発言で特に興味深かったのが、スキードームの構想。 ・ザウスはゼロから骨組みを組んで、地熱にもさらされたあまりに金がかかる仕組みだった。傾斜地を囲って普段は捨てるほどある雪をうまく活用すれば、も…

SAJの体質? -2

どうも体質に問題がありそうなSAJ。 そんなSAJで、競技引退から2年も経たない、コーチの経験や実績があるわけでもない皆川賢太郎氏の理事就任。役員名簿を見ると、有名人というと元選手では原田雅彦氏くらいで、あとは橋本聖子氏と星野佳路氏(星野リゾート…

SAJの体質? -1

選手への影響力や国際的な知名度という点で、かつての名選手が連盟や協会といった競技を統括する団体の重要なポジションにつくというのは、多くの競技で行われていることと思う。 全日本柔道連盟の会長は山下泰裕氏であるし、スキーも海外ではそういうことは…

マイブームは皆川賢太郎

きっかけは、愛知県スキー連盟の不正のニュースだった。 国体の監督を務めるために資格が必要、と役員8人に無試験で準指導員資格を与えたという。 最初に思ったのは「まあ、やってそう」。東海テレビの独自取材らしいが、女子レスリングにボクシングに女子体…